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「空馬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

空馬の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
まことにこんな旗本道中というものは沢山ない。乗ればよいのに乗りもしないで、二頭の空馬をうしろに随えながら、ゆらりゆらりと大股に歩き出しました。 ――行き行く道....
九月の或る日」より 著者:宮本百合子
鬚から蒸気船で吾妻橋まで戻る積りで、暗い混雑した向島の堤を行った。家に帰る沢山の空馬力、自転車、労働者が照明の不充分な塵っぽい堤を陸続、互に先を越そうとしながら....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
》せ出した兵馬が、この村をあとにしてもと来た道。そこへちょうど通りかかったのは、空馬《からうま》を引いた、背に男の子を負《お》うた女。 「その馬はこれからどちら....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
うな顫え声が、低く低く草を這い、風に攫われて消えて行った。 弟と別れた甚三が、空馬を曳いて帰りかけた時、 「馬子!」とうしろから呼ぶ者があった。振り返って見る....
決闘」より 著者:神西清
はやっぱりどたどたした肥っちょでがさつな酔払い女だと思いながら、最初に眼についた空馬車にアチミアーノフと一緒に乗り込んだ。ラエーフスキイはキリーリンと、動物学者....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
さいので、馬丁が扉を開けてから、お下りにならなければお姿は見えません。往来の人は空馬車が走ると思っていたといいます。 始めて伺った時には、前日お客来だったそう....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
友達だから決して否とはいいますまい。どうせ帰りに荷物を沢山積んで来るので往きには空馬が沢山あるから」というような話で、よい都合に話が成り立ちそうですからいろいろ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、耳をかす一騎もない。すべて逃げ退いてゆくらしかった。 そのうちに、小冠者も、空馬を拾った。そしておなじ方向へ駈けた。すると山崎の上に密集している軍があった。....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
船室の灯。町には明るい電光飾。 * 星。 星。 星。 星。空馬車、 空馬車、 空馬車。 ぽつり、ぽつり、ぽつりと、奉迎門の明るい電光....