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穿く
「穿く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
穿くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
いた。 二十日《はつか》は日がいいというので、いよいよその朝に草鞋《わらじ》を
穿くことになった。その前の日に六三郎は母の寺詣りに行きたいと言った。 「よく気が....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
う」 「仕方がねえ」と、半七も溜息をついた。「だが、餓鬼のこった。まさかに草鞋を
穿くようなこともあるめえ。いずれ何処からか這い出して来るだろう。なにしろ、腹が空....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
らしい。どうやら底にまだ雨気がありそうで、悪く蒸す……生干の足袋に火熨斗を当てて
穿くようで、不気味に暑い中に冷りとする。 気候はとにかく、八畳の表座敷へ、人数....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
下の畳の一部は、トントンとやる度毎の足裏の摩擦でガサガサに逆毛立ち、薬研のように
穿くれていた。 二号室の男は、(断って置くが、患者が少くなってから各室に散在し....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
見込んで提灯が低くなって、裾が鳥居を潜ると、一体、聖心女学院の生徒で、昼は袴を
穿く深い裾も――風情は萩の花で、鳥居もとに彼方、此方、露ながら明く映って、友染を....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
、鶏の声しばしば聞えて、元結に染む霜の鐘の音。血る潔く清き身に、唐衣を着け、袴を
穿くと、しらしらと早や旭の影が、霧を破って色を映す。 さて住吉の朝ぼらけ、白妙....
「現代若き女性気質集」より 著者:岡本かの子
ある職業だったら職業というものは何という好もしいものでしょう。 ○繕った靴下でも
穿くときは皺の寄らないように。 ○「お習字、生花、お琴、おどり――こういうものに....
「新時代女性問答」より 著者:岡本かの子
りません。 一平 それは実質的になったんだ。 かの子 そうです。新しい事を草履を
穿く様にまた洋傘をさすと同じ様にしています。 一平 つまり新しいという事を使用し....
「多神教」より 著者:泉鏡花
、ぐるぐると引廻したらば、可。――何と、丑の刻の咒詛の女魔は、一本|歯の高下駄を
穿くと言うに、些ともの足りぬ。床几に立たせろ、引上げい。 渠は床几を立つ。人々お....
「好きな髷のことなど」より 著者:上村松園
学校では女の生徒に茶の袴を穿かせることになっていたので、私らも茶の袴を穿き、袴を
穿くのだからというので靴を買ってもらったことを覚えています。 束髪 ....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
太郎に見せようという巻子の趣向なのだが下駄が一つしか置いて無かった。巻子はそれを
穿くと、もう一つを取りに出た。 正午前の田舎の日光は廊下の左右の戸口からさし込....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
って、朝飯の時、もう人足が来て待っていると、宿で言うので。 杖と並んで、草鞋を
穿く時、さきへ宿のものの運んだ桐油包の荷を、早く背負って、髪を引きしめた手拭を取....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ばれた。川上などもやはり飛白の筒袖を着て押し廻していた。しかしその頃は一般に袴を
穿くことが流行しなかった時代であるので、いずれも筒袖の着流しで、わざとらしく薩摩....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
紙を履の台に詰め込んで、法王に良い履を拵えて上げたそうです。
で法王がその履を
穿くとご病気が起ったとかいうのでだんだん詮議の末その履の中を調べて見ると、ポン教....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
れて様子を見ていた。 雲水僧はすっかり女にうつつを抜かれた様子で、玄関で草鞋を
穿くまで浅間しいまでに未練気な素振りを見せて居る。これに対して女もきぬぎぬの訣れ....