»
突き
「突き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
突きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
た。それ等の家々に面した道も泥濘の絶えたことは一度もなかった。おまけに又その道の
突き当りはお竹倉の大溝《おおどぶ》だった。南京藻《なんきんも》の浮かんだ大溝はい....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
持って貰《もら》うぜ。」
飯沼は大きい魚翅《イウツウ》の鉢へ、銀の匙《さじ》を
突きこみながら、隣にいる和田をふり返った。
「莫迦《ばか》な。あの女は友だちの囲....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
りも、むしろ欣然《きんぜん》と受け取られることを満足に思ったのに違いない。それを
突き返したのは失礼である。のみならず、――
保吉はこの「のみならず」の前につむ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
。河童が逃げ出したのはもちろんです。それから僕は三十分ばかり、熊笹《くまざさ》を
突きぬけ、岩を飛び越え、遮二無二《しゃにむに》河童を追いつづけました。
河童も....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
あった時、彼は表芸《おもてげい》の槍術《そうじゅつ》で、相手になった侍を六人まで
突き倒した。その仕合には、越中守《えっちゅうのかみ》綱利《つなとし》自身も、老職....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
やはり愛想の好い顔をしたまま、身動きもしない玉蘭《ぎょくらん》の前へ褐色の一片を
突きつけていた。
僕はちょっとそのビスケットの※《におい》だけ嗅《か》いで見た....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
っきよく休んでお出でだったけれど、――」
ひどく厭な気がしていた彼は金口を灰に
突き刺すが早いか、叔母や姉の視線を逃れるように、早速長火鉢の前から立ち上った。そ....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
頭を垂《た》れている。年は四十五六であろう。額の狭《せま》い、顴骨《かんこつ》の
突き出た、頬鬚《ほおひげ》の深い男である。床《ゆか》の上に引きずった着物は「あび....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
逃げこもうとした。が、彼は彼等のほかに男手のないのを見るが早いか、猛然と穴の中へ
突き進んだ。そうしてまず造作《ぞうさ》もなく、老婆をそこへ※《ね》じ伏せてしまっ....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
をさし伸した。田口一等卒は銃をかざした。が、神妙な彼等を見ると、どうしても銃剣が
突き刺せなかった。
「※《ニイ》、殺すぞ!」
彼はやむを得ず繰返した。するとそ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
か」 婆さんはどこからとり出したか、眼をつぶった妙子の顔の先へ、一挺のナイフを
突きつけました。 「さあ、正直に白状おし。お前は勿体なくもアグニの神の、声色を使....
「剛才人と柔才人と」より 著者:芥川竜之介
佐佐木君は剛才人、小島君は柔才人、兎に角どちらも才人です。僕はいつか佐佐木君と歩いていたら、佐佐木君が君に
突き当った男へケンツクを食わせる勢を見、少からず驚嘆しました。実際その時の佐佐木....
「初雪」より 著者:秋田滋
やかな弧を描いている。遥か右のほうに当って、エストゥレルの山塊がながく海のなかに
突き出て眼界を遮り、一望千里の眺めはないが、奇々妙々を極めた嶺岑をいくつとなく擁....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
かで、その建築様式は初期のオランダの移住民から伝えられているものだった。軒が低く
突きだして、正面にヴェランダができ、天気が悪いときには閉められるようになっていた....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
共に有名な、チョビ髭の尖った頤との一対の対面は世にも見事であったろう。その馬面に
突きつけられた雑誌が、此れまでサンザ首をひねらせた新青年の夢野久作ものするところ....