突き退ける[語句情報] » 突き退ける

「突き退ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

突き退けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
梓川の上流」より 著者:小島烏水
て「出」字状に臂《ひじ》を張った枝は、屈《かが》めた頭さえ推参者めがと叱るように突き退ける、栂の黒色の幹が、朽ちて水の中に浸っている、大方|紫檀《したん》に変性....
鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
うるさい。退《の》いておれ」 源三郎は相手をよくも見定めないで、腹立ちまぎれに突き退けると、かよわいお染は跳ね飛ばされたようによろめいて、そこにある膳の上に倒....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
云う風で両手を自分の背へ廻す、長三は怯まずに猶も進む、秀子は右の手を出して長三を突き退ける、長三は再び身を立て直して取っ掛り、依然として秀子が背後へ隠して居る左....
田舎教師」より 著者:田山花袋
く組となくやって来た。荻生さんは危篤の報を得て、その国旗と提灯と雑踏の中を、人を突き退けるようにして飛んで来た。一時間ほど前には清三はその行列の万歳の声を聞いて....
安重根」より 著者:谷譲次
肯かねえのだ。いま都合を訊いて来てやるから待っていろと言っても、あん畜生、おれを突き退けるようにして上って来ようとする――や! 来た、来た! 上って来やあがった....
尼になった老婆」より 著者:田中貢太郎
ぶ。 その時でありました。手前の背後の方から背の高い婆さんが、がむしゃらに人を突き退けるようにして前へ出て来ました。私もすんでのことに、その婆さんに突き飛ばさ....
貞操問答」より 著者:菊池寛
、闇にとけたように……。 「厭。厭。そんなのいや。」 いきなり、美和子は美沢を突き退けると、三、四間先へ走った。 夢見心地を、つきのけられたのが、思いがけな....
円太郎馬車」より 著者:正岡容
う、ソソクサ次の間から走ってきたお八重が赤い襷《たすき》もかいがいしく、圓太郎を突き退けるようにしてビショ濡れの半折へ飛びついてゆくと、濡れた両端をソーッと持ち....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
逢わして下さいよ。」 「馬鹿云うものでねえ。」 一酷老爺の七兵衛は、箒で手暴く突き退けると、酔っているお葉は一堪りもなく転んだ。だらしなく結んだ帯は解けかかっ....