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突っ
「突っ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
突っの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
鼻の先で笑いながら、杖《つえ》を上げて、道ばたの蛇《ながむし》の死骸《しがい》を
突っついた。いつのまにかたかっていた青蝿《あおばえ》が、むらむらと立ったかと思う....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ら、トックにその理由を尋ねようとしました。が、トックも興奮したとみえ、椅子の上に
突っ立ちながら、「クラバック、弾け! 弾け!」とわめきつづけています。のみならず....
「路上」より 著者:芥川竜之介
も時間があった。彼はちょいと事務所へ寄る事にして、両手を外套《がいとう》の隠しへ
突っこみながら、法文科大学の古い赤煉瓦《あかレンガ》の建物の方へ、ゆっくりした歩....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
た後《のち》、手拭《てぬぐい》を頭に巻きつけた僕等は海水帽に貸下駄《かしげた》を
突っかけ、半町ほどある海へ泳《およ》ぎに行った。道は庭先をだらだら下りると、すぐ....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
したまま、「それにしても君、お敏の体に間違いのあるような事はないだろうね。」と、
突っかかるように念を押すと、泰さんもやはり心配そうな眼つきをして、「さあ。」と云....
「或る女」より 著者:有島武郎
口の大戸をしめようとする駅夫と争いながら、八|分《ぶ》がたしまりかかった戸の所に
突っ立ってこっちを見まもっている青年の姿を見た。
「まあおそくなってすみませんで....
「或る女」より 著者:有島武郎
沿うて根ぎわの腐れた黒板塀《くろいたべい》の立ってる小さな寺の境内《けいだい》を
突っ切って裏に回ると、寺の貸し地面にぽっつり立った一|戸建《こだ》ての小家が乳母....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
女は一塊の火の肉となってぶるぶる震えながら床の上にぶっ倒れていた。彼れは闇の中に
突っ立ちながら焼くような昂奮《こうふん》のためによろめいた。
(四)....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ある大囲炉裏の切られた台所に出て見ると、そこの土間に、一人の男がまだ靴も脱がずに
突っ立っていた。農場の男も、その男にふさわしく肥って大きな内儀さんも、普通な背た....
「親子」より 著者:有島武郎
脇道にそれると、すぐ父からきめつけられた。父は監督の言葉の末にも、曖昧があったら
突っ込もうとするように見えた。白い歯は見せないぞという気持ちが、世故に慣れて引き....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
そんならって虫の様に立廻れば矢張り人間だと仰しゃる。己れっちらの境涯では、四辻に
突っ立って、警部が来ると手を挙げたり、娘が通ると尻を横目で睨んだりして、一日三界....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
砂山の向うに一面に灰色に曇っていた。その又砂山にはブランコのないブランコ台が一つ
突っ立っていた。僕はこのブランコ台を眺め、忽ち絞首台を思い出した。実際又ブランコ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
と婆さんは驚きでもするかと思いの外、憎々しい笑い声を洩らしながら、急に妙子の前へ
突っ立ちました。 「人を莫迦にするのも、好い加減におし。お前は私を何だと思ってい....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
しい影のようなものは動きはじめ、ぱっと一飛び岸にかけのぼると、たちまち道の中央に
突ったった。夜は暗く陰鬱ではあったが、この正体不明のものの形はいまや少しはわかっ....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
ることは事実である。 それから僕等は通りがかりにちょっと萩寺を見物した。萩寺も
突っかい棒はしてあるものの、幸い震災には焼けずにすんだらしい。けれども萩の四、五....