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「突っ張〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

突っ張の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
卑怯者」より 著者:有島武郎
られそうになった。驚いて振り返って、開きかかったその扉を押し戻そうと、小さな手を突っ張って力んでみたのだ。彼が足を停めた時はちょうどその瞬間だった。ようよう六つ....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
方、神聖なる皇帝アウガスタスは、いつもになく愉快に食事を取った。しかも時々に手を突っ張ったままで、火の如くに輝いている眼がどんよりと陰って来た。それは彼の足もと....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
幸。 遥か南々西に位する雄峰乗鞍岳に禦るのには、肩胛いと広き西穂高岳が、うんと突っ張っている、南方霞岳に対しては、南穂高の鋭峰、東北、常念岳や蝶ヶ岳を邀うには....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
向赤くならない顔をあげていった。「だが、食うものがボツボツ無くなり、こう腹の皮が突っ張ってきたのでは、一層睡くなるばかりだね。――それじゃ、どうだろう。これから....
地球盗難」より 著者:海野十三
まるでベビー服の下で、ゴム風船を膨らしているような具合だった。ベビー服はピーンと突っ張って見る見るはち切れそうになった。と思った途端、ビリビリと微かな音をたてて....
地球要塞」より 著者:海野十三
した。 だが私は、体の自由を失っていた。 上半身を起そうと思って、床を両手で突っ張ったが、私の肩は、床の上に癒着《ゆちゃく》せられたように動かなかった。 「....
越年」より 著者:岡本かの子
いた。今となっては容易く仕返しの出来難い口惜しさが、固い鉄の棒のようになって胸に突っ張った苦しさだった。 加奈江は昼飯の時間が来ても、明子に注いで貰ったお茶を....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
和められて、かえって、すぐその後は眠気を深めさせる。復一はベッドに仰向けに両肘を突っ張り、起き上ろうとする姿勢のまま、口と眼を半開きにしてしばらく鼾をかいていた....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ので、両方の船は小舷が摺れ合うほどに近寄って通る。船頭は馴れているので平気で棹を突っ張ると、今日はふだんより流れのぐあいが悪かったとみえて、急に傾いてゆれた船は....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
しい意欲の力が燃えていた。彼女は、額の後毛《おくれげ》を無造作にはね上げて、幹に突っ張った、片手の肩口から覗き込むようにして、なおも話しかけるのを止めようとはし....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
に捻れて行って、浄善の身体が廻転を始めたのだ。そして、強直が極度になってピインと突っ張ってしまう頃には、それに加速度も加わって、まるで独楽のような旋廻になってし....
交尾」より 著者:梶井基次郎
惹《ひ》き入れられていた。私は今彼らが噛み合っている気味の悪い噛み方や、今彼らが突っ張っている前肢の――それで人の胸を突っ張るときの可愛《かわい》い力やを思い出....
」より 著者:カフカフランツ
? その細君といえば、そのときのぞき窓のむこうの台所で、両肘を身体のわきにぐっと突っ張ってせわしく立ち働いているのが見えた。Kは今はもう亭主にやかましいことをい....
審判」より 著者:カフカフランツ
そうだったので、Kもつりこまれて笑わないではいられなかった。人々は両手を膝の上に突っ張り、ひどい咳の発作のときのように身体をゆするのだった。回廊の上にいる何人か....
博物誌」より 著者:岸田国士
ない足の下で、梁が今にも崩れ落ちそうになっている。彼は危うく倒れようとして、体を突っ張りながら前へのめる。彼は軋み、そして止る。 すると、今度は大工たちがやっ....