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突っ張る
「突っ張る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
突っ張るの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「交尾」より 著者:梶井基次郎
噛み合っている気味の悪い噛み方や、今彼らが突っ張っている前肢の――それで人の胸を
突っ張るときの可愛《かわい》い力やを思い出した。どこまでも指を滑《すべ》り込ませ....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
ぼね》がだんだん高く聳《そび》えてくる。顎《あご》が競《せ》り出す。同時に左右に
突っ張る。眼が壺《つぼ》のように引ッ込んで、眼球《めだま》を遠慮なく、奥の方へ吸....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ので、両方の船は小舷が摺れ合うほどに近寄って通る。船頭は馴れているので平気で棹を
突っ張ると、今日はふだんより流れのぐあいが悪かったとみえて、急に傾いてゆれた船は....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
もためになることと聴きゃあ、百里をとおしとしねえのが作法――それを、どこまでも、
突っ張るなんて――」
「何と申そうと、姓名、町ところも名乗らぬ奴、お取りつぎは出....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
る地謡連中の、マチマチに凝った姿勢を見てもそうであった。凝って凝って凝り抜いて、
突っ張るだけ突っ張り抜いて柔かになったのでなければ真の芸でないというのが翁の指導....
「病室の花」より 著者:寺田寅彦
まで持って行った。あのころからもうだいぶ悪くなっていた自分の胃はその日は特に固く
突っ張るようで苦しかった。あとから考えてみるとあの時分から自分の胃はもう少しずつ....
「モスクワの辻馬車」より 著者:宮本百合子
て乗ったんだから負けない。私はお前のソヴェト権力と一緒に正しいところはどこまでも
突っ張るよ。 プーシュキン記念像の下まで戻って来てしまった(サドー※ヤとストラ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
である。それが次郎にもよくわかる。 「そりゃ、仕方がございませんわ。」 お浜の
突っ張る声。次郎はそれでいくらか気が強くなる。 「困った子になってしまったわ。」....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
いたい、わかっているんだが、久慈の顔が見たくなって、フラフラとはいりこんだなどと
突っ張るのには、弱った……久慈の娘の、暁子《あきこ》ってのを呼びだして話をさせる....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
とともに、腐ったような水の香が、ぷんと鼻をつく。井戸の幅が狭いので、お蔦は手足を
突っ張るようにして、そろそろとおりて行った。里好の両手がお蔦を抱いて、そっとその....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
ルの先で神経繊維をはさむものとみえ、全身の痛覚が一挙に目ざめて、足の爪先がぴんと
突っ張る。私は思わず手に触れた草を握りしめた。 調教授が駆けつけてくださった。....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
穴から取り出したさんらんたるものをつかんでいる。アッ、お前は悲鳴をあげて四|肢を
突っ張る、同時に母は息をひきとりそうになった。ぎょッとしたが、周囲の者も、見てい....