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突っ放す
「突っ放す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
突っ放すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
いものだということを感じさされた。それはちょうど、陸上のすべての事物や人が、彼を
突っ放すのだと感ぜずにはいられないのだった。 それは左ねじの電球が、右ねじのソ....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
か。」 「どうでもいい、そんなことは。早く後を読み続けなさい。」 和尚はわざと
突っ放すように言った。甚斎は亀の子のように首をすくめた。 「この僧大いに怨み、わ....
「ほととぎす」より 著者:堀辰雄
あとの三月《みつき》ばかりなど、すぐ立ってしまいましょう」私はいつもの冷やかな、
突っ放すような調子で言った。 「それが反って中途半端で、この頃私にはますます苦し....
「山吹の花」より 著者:豊島与志雄
酷なかたね。久子さんはどこといって取り柄はないが、ただ僕を慕っていてくれるから、
突っ放すのも気の毒で、先方から倦きるまで、まあそっとしておいてやってるんです、と....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
しょう。そしたら、毎日逢えるんですよ。だから、……」 次郎はその言葉を聞くと、
突っ放すようにお浜の手を押しのけて、立ち上った。そして、探るような視線を彼女に投....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ん、僕正直になる方がいいんでしょう。」 これには俊亮もあっけにとられて、つい、
突っ放すように言った。 「そんなふうでは、もう誰にも可愛がってもらえないよ。」 ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
方がいいな。……だが両刀を手挾む身分だ、見込んで頼むといわれては、どうも没義道に
突っ放すことは出来ぬ。どうもこれは困ったぞ。……いや待てよ、この老人には、美しい....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
「以前の拙者なりゃ、その方より紙帳へ近附いたからには憂き目を見たは自業自得と、
突っ放すなれど、現在の拙者の心境ではそれは出来ぬ。気の毒に思うぞ! 詫び申すぞ!....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
が、いまそこから来てここへはいるのを見ましたがねえ」 「お人違いでござんしょう」
突っ放すようにいい切ると、文次の顔にちらと険が動いた。 これは油断がならない。....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
は膠《にべ》もなく、 「それは、わしにもわからん。あとは勝手にやるさ」 「ここで
突っ放すのはむごい」 「
突っ放すも突っ放さないも、この後は訳はないじゃないか。ど....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
い、この象がどうしたんだと」 「いいえ、別にどうもこうもありゃしません」 「そう
突っ放すもんじゃない。だいぶ面白そうな話だったじゃないか。……それで、四人はたし....
「雪の夜」より 著者:織田作之助
客ゆえ誘われれば断り切れぬ義理がある。たまに活動写真ぐらいは交際さしたりイなと、
突っ放すような返事だった。取りつく島もない気持――が一層瞳へひきつけられる結果に....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
はふと不安になったが、 「だいいち、掏られるものなんか、持ってるものか」 と、
突っ放すように言った。 が、亀吉は突っ放されず、もう一度、 「え、へ、へ……。....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
やはり寝たままで、 「ほしゃあお前、勘の前だが、日が暮れりゃあ出べえさ。」 と
突っ放すように言い捨てたが、ちょっと真顔になって、「勘、お糸は?」 「あい、まだ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
法があろうか」 「おらあ、半瓦の身内のもんで、菰の十郎ってんだ」 「よし、行け」
突っ放すと、 「覚えてやがれ」 と、菰はのめッたまま素っ飛んで行った。 伊織....