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突風
「突風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
突風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
地も時おり、どこからどういう仔細があってとも知れずに、だしぬけにどっと吹き起こる
突風のために妨げられた。風は彼の顔へまともに吹きつけて、雪の塊りを叩きつけたり、....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
っていったのでした」 雷鳴のたびごとに、対岸の峰に注ぐ、夕立の音が高まり、強い
突風が樹林のここかしこに起って、大樹を傾け梢を薙《な》ぎ倒しているが、そのややし....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
五分を指し、確かに正しい現在の時刻を現わしていたし、その上に、いま駅の前に一陣の
突風が颯々と吹いているのであると見え、そこに植わっている鈴懸けの樹の小枝が風のま....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
た。 監督は実は今朝早く、本船から十哩ほど離れたところに碇っていた××丸から「
突風」の警戒報を受取っていた。それには若し川崎船が出ていたら、至急呼戻すようにさ....
「恐竜島」より 著者:海野十三
くぬりつぶされている。すうーっと日がかげった。黒雲はもう頭の上まで来ているのだ。
突風《とっぷう》が、帆をゆすぶった。帆柱《ほばしら》がぎいぎいと悲鳴をあげた。 ....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
は、轢殺される危険を感じて、よろめきながら、舗道の端によった。 とたんに一陣の
突風と共に、先頭のトラックが、側を駆けぬけた。 「危い!」 彼は畦をとびこえて....
「空気男」より 著者:海野十三
ふきとばされそうになった。 「これはいけない」 と思っているうちに、ものすごい
突風がやってきて梢にしがみついている博士の身体を軽々とふきとばした。 瓦斯体に....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
何のやくにもたたない。ただ暴風雨のまにまに、どこまでも、ながされてゆく。 いつ
突風がおこるかわからない。
突風がおこって艇にたたきつけるようなことがあったら、お....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
彼女は音せぬように着物を着がえて、ひそかに我が家をぬけ出してしまった。ラザルスは
突風のために入口の扉が音を立てて開いたのに気が付いたが、起ち上がって出て見ようと....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
倒れている。内側の戸が外側に折り重っているのである。 戸外には十五|米ぐらいの
突風が吹きつけているが、キティ颱風を無事通過した窓が、満月の
突風ぐらいでヒックリ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
夫人の顔を見守った。 この相容れざる二人の間には、ささいな問題から思いがけない
突風が、吹き起ったのである。 夫人は云いつづけた。 「第一、貴女が私の家にお客....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
の旧家で桐生一の富豪の母屋であった。せまい部屋が一ツもない。どの部屋からも一陣の
突風が吹き起りそうな広さがあった。 ここを探してくれたのは作家の南川潤である。....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
の上にかけた。 波は、低く窪みひろがり泡だって、押しよせてくる。しかし、空には
突風もない。ただ水面には触れずとおく上空をゆくのか、ごうっという颶風のような音が....
「皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
体がぎこちなく手足が敏活に動かぬ。尾根は登りとなって深い笹が足にからまり、横から
突風に襲われると、二人ともややもすれば吹き倒されそうで容易に足が進まない。それで....
「案内人風景」より 著者:黒部溯郎
伴れてってくんない?」 とでも言ったなら、勇躍して引受けてよろしい。そして山上の
突風の場合、または、急斜面の雪渓登行の際などを考慮して、服装に付いては、ややもす....