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窓の中
「窓の中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
窓の中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
当るせいか、顔だけぼんやりと曇ってしまう。
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飾り
窓の中の鬼百合の花。ただし後ろは暗である。鬼百合の花の下に垂れている莟《つぼみ》....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
太郎は、目を窓にやりながら、吐き出すように、こう言った。四角に空を切りぬいた
窓の中には、枇杷《びわ》の木が、葉の裏表に日を受けて、明暗さまざまな緑の色を、ひ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
流しているのです。
「どうしたのだ?」
「どうしたのです?」
「なにあの自動車の
窓の中から緑いろの猿《さる》が一匹首を出したように見えたのだよ。」
僕は多少心....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
窓の前へ通りかかった。半《なか》ば硝子《ガラス》に雪のつもった、電燈の明るい飾り
窓の中にはタンクや毒瓦斯《どくガス》の写真版を始め、戦争ものが何冊も並んでいた。....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
小さな木鶴《もっかく》の一双《ひとつが》いが、煙の立つ線香を啣《くわ》えている。
窓の中を覗いて見ると、几《つくえ》の上の古銅瓶《こどうへい》に、孔雀《くじゃく》....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
ばしています。その枝に半ば遮《さえぎ》られた、埃《ほこり》だらけの硝子《ガラス》
窓の中にはずんぐりした小倉服《こくらふく》の青年が一人、事務を執《と》っているの....
「少年」より 著者:芥川竜之介
の間の出来ごとである。思わず「おや」と目を見はった時には、少女はもういつのまにか
窓の中へ姿を隠したのであろう。窓はどの窓も同じように人気《ひとけ》のない窓かけを....
「僕の帽子のお話」より 著者:有島武郎
のむこうに落ちたと思うと、今度は斜《はす》むこうの三|軒長屋《げんながや》の格子
窓の中ほどの所を、風に吹きつけられたようにかすめて通って、それからまた往来の上を....
「卑怯者」より 著者:有島武郎
出しているだろう。その音を聞きつけて、往来の子供たちはもとより、向こう三軒両隣の
窓の中から人々が顔を突き出して何事が起こったかとこっちを見る時、あの子供と二人で....
「春の上河内へ」より 著者:板倉勝宣
ュックサックを背負ったまま腰をかけて、顎の下にアルペンストックをかって、反対側の
窓の中に刻々に移って行く真白な雪の山々を眺めていると、雪の山の不可抗な吸引力は、....
「火星兵団」より 著者:海野十三
、さいごのかくごを、きめるようにすすめたのである。
千二も、まさかと思ったが、
窓の中をのぞいて見ておどろいた。
「ほんとですね。あれは、たしかに、火星兵です」....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
らっしゃる」 「やっぱり一宮大将!」 一宮大将といえば、あの新宿の夜店街で、飾
窓の中に黒枠づきでもって、その永眠を惜しまれていた将軍のことではないか。そういえ....
「湯島の境内」より 著者:泉鏡花
お蔦 ええ、そうよ。……じゃ、もう一度、雀に餌が遣れるのね、よく馴染んで、※子
窓の中まで来て、可愛いッたらないんですもの。……これまで別れるのは辛かったわ。 ....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
こにきたない一軒立ちの家があって、たった一つの窓がこっちを向いて開いている。あの
窓の中をよく見てごらん。一人の年|老った寡婦がせっせと針仕事をしているだろう、あ....
「雪の女王」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
いた顔をみると、またほかのばらの花を、もぎりだしました。それから、じぶんのうちの
窓の中にとびこんで、やさしいゲルダとも、はなれてしまいました。 ゲルダがそのあ....