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「窓外〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

窓外の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
子供の病気」より 著者:芥川竜之介
夏目先生は書の幅《ふく》を見ると、独り語《ごと》のように「旭窓《きょくそう》だね」と云った。落款《らっかん》はなるほど旭窓外史《きょくそうがいし》だった。自分は先生にこう云った。「旭窓は淡窓《たんそう....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
面に、ふりかけようとした。丁度、そのときだった。 「ピューッ、ピューッ」 と、窓外に、口笛が鳴った。 青年は、ひどく周章てて、席を立とうとしたが、卓上の、手....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
てまね》と共に何事かを命じた。すると青年は、くるっと後を向いた。青年の顔は、今や窓外から室内を窺《うかが》う帆村と田鍋課長の方へ正面を切った。 (あっ、そうだ、....
五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
間を流れる墨画のような谷川が見えて行く。スティームと人いきれで汚れた車内の空気が窓外の景色で洗われたように思われた。瓢箪をさげて見る景ではない。もっと荘厳な、も....
火星探険」より 著者:海野十三
だが、ひょっとしたら、あのせいじゃないかな」 と山木は顎《あご》をしゃくって、窓外を示した。そこには火星が大きく視界を遮《さえぎ》っていた。 「ああそうか、君....
暗号音盤事件」より 著者:海野十三
た。白木は窓のところに立ち、カーテンの蔭から、例のステッキに似せた軽機銃の銃口を窓外にさし向けたまま、石のように硬くなっていた。 「こっちを射撃しやがった。だが....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
右一双の毒竜の爪なり。迅速に一縮す。立直るや否や、剣を抜いて、頭上に翳し、ハタと窓外を睨む。 侍女六人、斉しくその左右に折敷き、手に手に匕首を抜連れて晃々と敵に....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
ていた。 あと、十時間だ。 仏は、アンに睡られてしまって、俄に退屈になった。窓外を見ると、空は相変らず、どんよりと曇っている。畠には、小麦の芽が、ようやく三....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
える。 「高度二万メートルを突破しました」 「はい、了解」 白昼だというのに、窓外はもうすっかり暗い。窓は暗紫色である。太陽は輝いているが、空はすこしも明かる....
怪塔王」より 著者:海野十三
投綱だ なんというむずかしい曲技でしょう。 小浜兵曹長は、窓にかじりついて、窓外を夢中になってながめています。 錨をさきにつけた麻縄と、彼が機体からくりだ....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
の辺に立っているかの見当がついた。 交番の中はすっかり焼けつくしたものと見え、窓外の石壁には、焔のあとがくろぐろと上ひろがりにクッキリとついていた。中には何が....
鴨の喜劇」より 著者:井上紅梅
れた。エロシンコ君はその時もう、いくつかのお玉杓子を買って来た。買って来ると彼は窓外の庭の中程にある小さな池の中に放した。その池は長さ三尺、濶さ二尺ぐらい、仲密....
暗号数字」より 著者:海野十三
目がさめた。 まだ腰がふらふらと定まらない。洗面所へ行ってみると、満員だった。窓外は朝の山々や田畑がまぶしく光っていた。 車室へかえってくると、もう寝台はき....
車中有感」より 著者:上村松園
の跡を偲んだりするのは無限の愉しみである。 汽車に乗ると、すぐ窓辺にもたれて、窓外の風景へ想いをはしらすわたくしは――実は車内の、ごたごたした雰囲気に接するの....
キド効果」より 著者:海野十三
みなに薦められ、ホッと蘇生したような気持になった。殊に列車が博克図を出てからは、窓外にスクスクと伸びた白樺の美林が眺められ、乗客も乗務員ももう何事も忘れて、貪る....