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窘
「窘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
窘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
は、この摩利信乃法師《まりしのほうし》がなせる業《わざ》ではないぞ。さればわしを
窘《くるし》めたとて、父親が生きて返ろう次第はない。」と、たしなめるように申しま....
「路上」より 著者:芥川竜之介
血色の鮮《あざやか》になった初子が、ちょっと睨《ね》める真似をしながら、こう弟を
窘《たしな》めると、民雄はまだ俊助の手をつかまえたまま、
「ううん。僕は莫迦じゃ....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
秋からまた精神に何か動揺が起ったらしく、この頃では何かと異常な言動を発して、私を
窘《くるし》める事も少くはございません。ただ、私が何故《なにゆえ》妻のヒステリイ....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
らない運命を背負わせられた。が、クリストが十字架《くるす》にかけられた時に、彼を
窘《くるし》めたものは、独りこの猶太人ばかりではない。あるものは、彼に荊棘《いば....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
りに知っため組は、そのちらちらを一目見ると、や、火の粉が飛んだように、へッと頸を
窘めた処へ、 「まだ、花道かい?」 とお蔦が低声。 「附際々々、」 ともう一....
「海異記」より 著者:泉鏡花
て来るのに。 ええ、おい、起きねえか、お浜ッ児。へ、」 とのめずるように頸を
窘め、腰を引いて、 「何にもいわねえや、蠅ばかり、ぶんぶんいってまわってら。」 ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
打つけなりの茅屋の窓は、山が開いた眼に似て、あたかも大なる蟇の、明け行く海から掻
窘んで、谷間に潜む風情である。 されば瓦を焚く竈の、屋の棟よりも高いのがあり、....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
っしゃいよ。」 その本体はかえって差措き、砂地に這った、朦朧とした影に向って、
窘めるように言った。 潮は光るが、空は折から薄曇りである。 法師もこれあるが....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
口を利くな、口を利くな。」 ……と背の低いのが、滅入込みそうに、大な仮髪の頸を
窘め、ひッつりそうな拳を二つ、耳の処へ威すがごとく、張肱に、しっかと握って、腰を....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
が、はらはらと鳴る、霰の音。 勢辟易せざるを得ずで、客人ぎょっとした体で、足が
窘んで、そのまま欄干に凭懸ると、一小間抜けたのが、おもしに打たれて、ぐらぐらと震....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
をまたしてみたり。 「確に……」 歩行出して、 「いや、待てよ……」 と首を
窘めて、こそこそと立退いたのは、日当りの可い出窓の前で。 「違うかの。」と独言。....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
、おい。」 「あれ、また、乱暴なことを有仰います。」と微笑みながら、道は馴々しく
窘めるがごとくに言った。 「御容子にも御身分にもお似合い遊ばさない、ぞんざいな言....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
いて胸を払った。 「何だ、廊下は水だらけだ。」 細君は何にも言わぬ。小松原も居
窘まって、忙しく息をするばかり。 鶏が鳴いたので、やっと細君が顔を上げたが、廊....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
愛吉は何にもいわず、腕を拱いて目を外して、苦言一針するごとに、内々恐縮の頸を
窘める。 紋床は構わず棚下、 「活きるか死ぬかというこれが情婦だったって、それ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ように句切りながら、次第ににじり込んだ框の上。 割膝で畏まって、耳を掻いて頸を
窘め、貧乏ゆすり一つして、 「へへへ、口の悪いッちゃねえ、お嬢ッ公。」 「でも虫....