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窪
「窪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
窪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
どこの怒のために終始したと云ってもよい。伝吉は父を葬《ほうむ》った後《のち》、長
窪《ながくぼ》にいる叔父《おじ》のもとに下男《げなん》同様に住みこむことになった....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
膚《ひふ》にくっつきそうな気がした。
多加志はたった一晩のうちに、すっかり眼が
窪《くぼ》んでいた。今朝《けさ》妻が抱き起そうとすると、頭を仰向《あおむ》けに垂....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
真が一枚小さい額縁の中にはいっている。初ちゃんは少しもか弱そうではない。小さい笑
窪《えくぼ》のある両頬《りょうほお》なども熟した杏《あんず》のようにまるまるして....
「或る女」より 著者:有島武郎
出した金はいくらも残ってはいなかった。そして午後の日がやや傾きかかったころ、大塚
窪町《おおつかくぼまち》に住む内田《うちだ》という母の友人を訪れた。内田は熱心な....
「或る女」より 著者:有島武郎
日であったせいか電話は思いのほか早くつながった。葉子は少しいたずららしい微笑を笑
窪《えくぼ》のはいるその美しい顔に軽く浮かべながら、階段を足早に降りて行った。今....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
に来てしまっていた。道がへし折られたように曲って、その先きは、真闇《まっくら》な
窪地に、急な勾配《こうばい》を取って下っていた。彼らはその突角《とっかく》まで行....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
今夜のこの寂しい新地へ、風を持って来て、打着けたと思えば可い。 一軒、地のちと
窪んだ処に、溝板から直ぐに竹の欄干になって、毛氈の端は刎上り、畳に赤い島が出来て....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
の楽器に別れて、散策の畦を行く。 と蘆の中に池……というが、やがて十坪ばかりの
窪地がある。汐が上げて来た時ばかり、水を湛えて、真水には干て了う。池の周囲はおど....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
た。そこからそれ、煤を噴きそうな面を出して、蘆の茎から谷|覗くと、鍵の穴を真黒に
窪ましているじゃアありませんか。 (何が入っておりますえ。) 失礼な……人様の....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
幾曲り、で、根岸の里の雪の卯の花、水の紫陽花の風情はないが、木瓜、山吹の覗かれる
窪地の屋敷町で、そのどこからも、駿河台の濃い樹立の下に、和仏英女学校というのの壁....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
に見た未完成のスケッチのように醜くなっていた。その顳※の上や、両眼の下や、両頬の
窪みには、濃い紫の死びと色があらわれていた。又その色は彼の長い指にも爪ぎわにもあ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
は寂しい樹蔭の細道、たらたら坂を下りて来た、前途は石垣から折曲る、しばらくここに
窪んだ処、ちょうどその寺の苔蒸した青黒い段の下、小溝があって、しぼまぬ月草、紺青....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ど遠くない、おそらく二マイルほどはなれた高い丘に、小さな渓谷、というよりはむしろ
窪地というべきところがあるが、そこは世の中でいちばん静かな場所である。小川が滑る....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
濃いのが咲いて、淡いのが草まじりに、はらはらと数に乱れる。 馬の沓形の畠やや中
窪なのが一面、青麦に菜を添え、紫雲英を畔に敷いている。……真向うは、この辺一帯に....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
はエンギをかつぐのではないが、党に悪いと思ってこれを秘しかくした。その翌日、故米
窪満亮氏の党葬があったが、私は葬儀委員長となっていたので、その葬式を終えてやっと....