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窪い
「窪い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
窪いの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
浅間の方から落ちて来る細流は竹藪のところで二つに別れて、一つは水車小屋のある
窪い浅い谷の方へ私の家の裏を横ぎり、一つは馬場裏の町について流れている。その流に....
「嵐」より 著者:島崎藤村
だ。植木坂の上を通る電車もまれだった。たまに通る電車は町の空に悲壮な音を立てて、
窪い谷の下にあるような私の家の四畳半の窓まで物すごく響けて来ていた。 「家の内も....
「分配」より 著者:島崎藤村
欲と、迷信と、生活難とから、拝んでもらいに行く人たちも多いという。その太鼓の音は
窪い谷間の町の空気に響けて、私の部屋の障子にまで伝わって来ていた。 私たちの家....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
野茨の紅い実まじりに淋しく残って居る。覗いて見ると、小川の水は何処へ潜ったのか、
窪い水道だけ乾いたまゝに残される。
四
谷の向う正面は、雑木....
「胚胎」より 著者:宮本百合子
てある。 今のストーブとまでには発達しないごく雑な彫刻のある石板で四方をかこんだ
窪い所に太い木の株を行儀よくかさねてある、その木と木の間から赤い焔が立ちのぼる。....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
中央と覚しきあたりに最大の池がある。水は深くはないが澄んでいる。其附近が原の最も
窪い所で、其北に少し宛高くなって三つ許の池が連っている。南北に長く東西に狭い原は....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
まけたような平蕪に、珍車、立山竜胆、四葉塩竈などが鮮かな色彩を点じている。真中の
窪い処は一面の雪田で、盛り上った雪は縁から溢れて、小黒部の椈倉谷へなだれ落ちてい....