»
窮
「窮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
窮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
沙金《しゃきん》は、扇をすてて、静かに両手で、次郎の右の手をとらえながら、追
窮した。
「それも、兄き一人やるのならいいが、仲間を皆、あぶない目に会わせてまで....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
をした。彼等の食事は賑《にぎや》かだった。が、近頃は「賑か」と云っても、どこか又
窮屈にも違いなかった。それは唯玄鶴につき添う甲野と云う看護婦の来ている為だった。....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
、評判の高い大賊《たいぞく》である。それが大名屋敷へばかり忍び込んで、盗んだ金は
窮民へ施したというところから、当時は義賊という妙な名前が、一般にこの盗人《ぬすび....
「母」より 著者:芥川竜之介
―前の部屋ならば明《あ》いているでしょう?」
男はかれこれ二週間ばかり、彼等が
窮屈な思いをして来た、日当りの悪い三階の部屋が一瞬間眼の前に見えるような気がした....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
。日本の戯曲家《ぎきょくか》や小説家は、――殊に彼の友だちは惨憺《さんたん》たる
窮乏《きゅうぼう》に安んじなければならぬ。長谷正雄《はせまさお》は酒の代りに電気....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
りだった。二人はしばらく待たされた後《のち》、やっと高座《こうざ》には遠い所へ、
窮屈《きゅうくつ》な腰を下《おろ》す事が出来た。彼等がそこへ坐った時、あたりの客....
「黄粱夢」より 著者:芥川竜之介
呂翁《ろおう》は、得意らしく髭を撫でた。
「では、寵辱《ちょうじょく》の道も
窮達《きゅうたつ》の運も、一通りは味わって来た訳ですね。それは結構な事でした。生....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
してしまった。それが余り突然だったので、適当な後任を物色する余裕がなかったからの
窮策《きゅうさく》であろう。自分の中学は、当時ある私立中学で英語の教師を勤めてい....
「尼提」より 著者:芥川竜之介
落した。
「まことに恐れ入りますが、どうかここをお通し下さいまし。」
進退共に
窮《きわ》まった尼提は糞汁《ふんじゅう》の中に跪《ひざまず》いたまま、こう如来に....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
慎太郎の方を振り返った。慎太郎はまだ制服を着たまま、博士と向い合った父の隣りに、
窮屈《きゅうくつ》そうな膝《ひざ》を重ねていた。
「ええ、すぐに見えるそうです。....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
験でもうけているような心もちになった。この相手の口吻《こうふん》には、妙に人を追
窮するような所があって、それが結局自分を飛んでもない所へ陥れそうな予感が、この時....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
年の秋の蝗災《こうさい》へ持って行った。この地方の蒙った惨害の話から農家一般の困
窮で、老人の
窮状をジャスティファイしてやりたいと思ったのである。
すると、その....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
りませんか。」
若者は鞭《むち》を弄《もてあそ》びながら、透《す》かさず彼を追
窮した。彼の記憶には二三日前に、思兼尊と話し合った、あの古沼のほとりの柳の花が、....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
い英雄にして下さいますな。わたしは現に時とすると、攀《よ》じ難い峯《みね》の頂を
窮め、越え難い海の浪《なみ》を渡り――云わば不可能を可能にする夢を見ることがござ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
京人にてある年越後へ稼ぎに来りしが病に罹りて九死一生となり、路用も遣い果して難渋
窮まりしを伯父が救いて全快させしうえ路用を与えて帰京させたれば、これを徳として年....