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窮乏
「窮乏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
窮乏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
。日本の戯曲家《ぎきょくか》や小説家は、――殊に彼の友だちは惨憺《さんたん》たる
窮乏《きゅうぼう》に安んじなければならぬ。長谷正雄《はせまさお》は酒の代りに電気....
「出世」より 著者:菊池寛
思わずには、おられなかったのだろう。「譲吉が学校を出るまで」という言葉を、彼らは
窮乏から来る苦しみを逃れる、唯一のまじないのように思っていたのだから。譲吉は、自....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
場を築くことになった。空前の大工事であるから、その費用もおびただしい。その財政の
窮乏を補うために、ことしの一月から新吹きの一朱銀を発行したので、俗にこれをお台場....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
は屡※いう、基督は有らゆるものを犠牲に供し、救世主たるの義務の故に、凡ての迫害と
窮乏とを甘受し、十字架の死をさえ敢えて堪え忍んだ。だからお前達は基督の受難によっ....
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
にて撃れ、鋸にてひかれ、火にて焚れ、刃にて殺され、棉羊と山羊の皮を衣て経あるき、
窮乏して難苦しめり、世は彼等を置くに堪えず、彼等は曠野と山と地の洞と穴とに周流い....
「天馬」より 著者:金史良
病者で、文学の才能にもいささかは恵まれていた。ただ長い間のどうすることも出来ない
窮乏や孤独や絶望が、彼の頭を攪乱《かくらん》してしまった。それに今は朝鮮という特....
「地軸作戦」より 著者:海野十三
又、そのように途方もない夢を画くことによって僅かに自分を慰めなければならぬほど、
窮乏のどん底へ陥ってしまったのだとも云える。 しかし、それは普通人の見方という....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
年の初め、あわてて家賃の安い現在の家に引越して来たのであるが、働く者のない家庭は
窮乏の淵へ一歩一歩ズリ落ちて行く外はなかった。 その上、姉妹の母が、生活に対し....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
めた。 それから三年間、二十七歳の秋まで私はそこで暮したが、この三年間は物質の
窮乏に苦しみとおしたので活動写真もほとんど見ていないが、それでも、「罪と罰」、「....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
いていそういう人々が淘汰された。そういう人々の家族は困り切って、寄るとさわると、
窮乏の話をひそひそとしていた。今度の継母は父と同じ藩の然るべき武士の家から出てい....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
平凡」を運んで来た。 答礼の花束。 レセプションの招待状。 慈善病院の資金
窮乏の訴え。 土耳古風呂の新築披露。 コナンドイル未亡人からとどいた神秘主義....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
も――講演して新らしい思想を鼓吹する機会を得たのを喜んで応じたのであるから、この
窮乏の間に処りながら初めから報酬を辞して受けなかった。 『浮雲』第三篇の発表され....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、その命つなぎの金にさえ不自由する有様に立ち至っております。この時に当って、この
窮乏に堪え、かつこれを打開するものは、ただ人々の仏教信仰によっての安心立命と、慈....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
た。従って良民は南下して日本領内に亡命した。で、農作は絶え、畜産は滅び、食糧には
窮乏して来た。従って、結氷期にでもなると、幌内川を挙って南下しかねないという。橇....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
る。そして、私が生きながら死んでいなければならぬあいだ、神がその聖旨によって私を
窮乏*から護って下さるようにということだけを祈っている。私の運がどんなに苦しく恐....