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窮屈
「窮屈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
窮屈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
をした。彼等の食事は賑《にぎや》かだった。が、近頃は「賑か」と云っても、どこか又
窮屈にも違いなかった。それは唯玄鶴につき添う甲野と云う看護婦の来ている為だった。....
「母」より 著者:芥川竜之介
―前の部屋ならば明《あ》いているでしょう?」
男はかれこれ二週間ばかり、彼等が
窮屈な思いをして来た、日当りの悪い三階の部屋が一瞬間眼の前に見えるような気がした....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
りだった。二人はしばらく待たされた後《のち》、やっと高座《こうざ》には遠い所へ、
窮屈《きゅうくつ》な腰を下《おろ》す事が出来た。彼等がそこへ坐った時、あたりの客....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
慎太郎の方を振り返った。慎太郎はまだ制服を着たまま、博士と向い合った父の隣りに、
窮屈《きゅうくつ》そうな膝《ひざ》を重ねていた。
「ええ、すぐに見えるそうです。....
「或る女」より 著者:有島武郎
でしたから、医務室のわきに移しておきました。御覧になった前の部屋《へや》より少し
窮屈かもしれませんが、何かに御便利ですよ。御案内しましょう」
といいながら葉子....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
っにちゃっと音をさせながら場主の鼻先きまでのそのそ歩いて行って、出来るだけ小さく
窮屈そうに坐りこんだ。
「何しに来た」
底力のある声にもう一度どやし付けられて....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
、その作品はブルジョアに訴えるために書かれるものだと、宣言したに対して、あまりに
窮屈な平面的な申し出であると言っていられる。芸術に超階級的超時代的の要素があるの....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
通う女学校を参観したと云うにつけても、意のある処が解せられる。 「どうだい、君、
窮屈な思いをしたろう。」 親が参って、さぞ御迷惑、と悪気は無い挨拶も、母様で、....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
の連合軍に対抗したのであります。その頃の戦術は先に申しました横隊です。横隊が余り
窮屈なものですから、横隊より縦隊がよいとの意見も出ていたのでありますが、軍事界で....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
礼をしました。 博士、僧都、一揖して廻廊より退場す。侍女等|慇懃に見送る。 少し
窮屈であったげな。 侍女等親しげに皆その前後に斉眉き寄る。 性急な私だ。――女を....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
。 少年はうしろ向に、山を視めて、おつきあいという顔色。先生の影二尺を隔てず、
窮屈そうにただもじもじ。 嫗は威儀正しく、膝のあたりまで手を垂れて、 「はい、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
氏素性の少年とも弁えぬが、去年秋銃猟の途次、渋茶を呑みに立寄って以来、婆や、家は
窮屈で為方がねえ、と言っては、夜昼|寛ぎに来るので、里の乳母のように心安くなった....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
涼しげに麦酒の硝子杯に映るのである。 「ですが先生、下司は下司で、この羽織を着た
窮屈さッたらありませんでしたぜ、私あ思いますが、この上に袴でも穿いた日にゃ、たっ....
「可愛い山」より 著者:石川欣一
ろうとの案であった。しばらくはこれも成功したが、間もなく役に立たなくなる。我々は
窮屈な思いをしながら、一日中むだ話をして暮した。 次の朝は綺麗に霽れた。雨に洗....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
あろうか。脱靴だけは日本式であるが、田舎出身の兵隊に、慣れない腰掛を強制し、また
窮屈な寝台に押し込んでいる。兵の生活様式を急変することは、かれらの度胆を抜き、不....