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窮極
「窮極〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
窮極の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
し》かも、たとえ、いのちが張り裂けようとて、心は狂いも、得死ぬことすら許されず、
窮極の緊張の正気を続けさせられるという気持のものであるというぐらいしか申上げられ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
そインド哲学者の夢想した完全な涅槃である。クラウジウス(Clausius)はこの
窮極状態を『熱的死』(〔Wa:rmetod〕)と名づけた。もし宇宙が真にこの熱的....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
々大きくし、その数を益々少なくして行こうというのが、その意図だった。 で、その
窮極の目的は、残された収益性に富む大企業をして安々と独占の甘い汁を吸わせるところ....
「毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
。実は大歎息をしたのである、あははと……。およそ歎息というものは、感極まってその
窮極に達すればあたかも笑声のような音を発するものである。嘘だと思ったら、読者は御....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ものとはどうしても思われない。譬喩があって象徴がないからである。そこに宗教哲理の
窮極はあっても、芸術とは根本の差が見られるということになる。 また考えて見る。....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
これが事実か虚構か私はしらない。しかし考えさせられる話である。 科学の世界は
窮極においてはすべて理論で割切れうるかも知れないけれども、この理論的世界において....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
て見逃され勝ちの心の微動を捉えて、抒情詩の上に一領域を拓いたのであった。併し其も
窮極境になれば、万葉人にも、平安歌人にも既に一致するものがあったのである。唯、新....
「烏恵寿毛」より 著者:佐藤垢石
こで、私は女房を攻めた。 はじめのほどはてんで私を相手にしなかったけれど、私が
窮極に陥ったのを読んだらしい。流石に女房だけあって、箪笥の抽斗の奥の隅の底から、....
「城」より 著者:カフカフランツ
だ、という錯覚に負けてしまったんだよ。フリーダ、それはあやまりだよ。私たち二人の
窮極の結合を妨げている、最後の、そして正しく見ればじつは軽蔑すべき困難にほかなら....
「審判」より 著者:カフカフランツ
分のなんらかの期待から行くのだとしたら、自分は完全に馬鹿者だし、きっと故郷では、
窮極の絶望のうちに、自分のばかさ加減の報いを受けることになるだろう。だが、こうし....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
間を捜し廻った挙句に、
最上級の詞を攫まえて、
己の体を焚くような情の火を、
無
窮極だ、無辺際だ、永遠だと云ったと云って、
それが悪魔もどきの※事かい。
....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
は西行にも俊成にも定家にも一首として生れ出はしなかったのである。こうした慈悲心が
窮極するときに、 建暦元年七月洪水漫天、土民愁嘆きせん事を思ひて、 一人奉と云 ....
「海にふぐ山にわらび」より 著者:北大路魯山人
かのひれとなり、銀耳となるのであろう。日本と中国、その人間が求めて止まない味覚の
窮極性というようなものは、これらの最高美食の対象そのものが示唆するように、そこに....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
政治の統一を逐次拡大して来た。世界の完全なる統一すなわち戦争の絶滅は戦争術がその
窮極的発達に達した時に実現せらるるものと考えねばならぬ。この見地よりする戦争の発....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
根を流いながら、三窓の凹所を目掛けてまっしぐらに谷を駆け上っている、上って視線の
窮極に達すると、遥かの空際の三日月形の弧をくっきりと描いたまま其後に没しているが....