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「窮策〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

窮策の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
してしまった。それが余り突然だったので、適当な後任を物色する余裕がなかったからの窮策《きゅうさく》であろう。自分の中学は、当時ある私立中学で英語の教師を勤めてい....
一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
は、共に不埒の暴挙である、其暴挙であるが故に、悪竦の手段を講ぜねばならず、卑劣の窮策を廻らさねばならぬハメに陥りやがて悲哀を招き煩悶を来たして、終には没落するに....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
用を、不都合なところだけ黒く塗って、消し切りに消すのは、古来から幾千万人の試みた窮策で、幾千万人が等しく失敗した陋策《ろうさく》である。人間の心は原稿紙とは違う....
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
つかずにいた自己の迂闊《うかつ》を深く後悔した。 彼は困却の余りふと思いついた窮策《きゅうさく》として、須永《すなが》の助力でも借りに行こうかと考えた。しかし....
坑夫」より 著者:夏目漱石
《あったか》にしたら、足の方でも折れ合ってくれるだろうとの、はかない望みから出た窮策であった。 しかしさすがに疲れている。寒さよりも、足よりも、布団の臭《にお....
明暗」より 著者:夏目漱石
拵《こし》らえた赤靴を規則通りに黒くしたのだという説明を聞いた時、彼はまた叔父の窮策《きゅうさく》を滑稽《こっけい》的に批判したくなった。そうしてその窮策から出....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
外界に顧慮しているからだ。それは悲しい事には私が弱いからだ。私は弱い者の有らゆる窮策によく通じている。僅かな原因ですぐ陥った一つの小さな虚偽の為めに、二つ三つ四....
去年」より 著者:伊藤左千夫
足をふんばり背たけを伸ばして歩けないのが常だ。心をまげ精神を傷つけ一時を弥縫した窮策は、ついに道徳上の罪悪を犯すにいたった。偽りをもって始まったことは、偽りをも....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
が、それと同時に奇蹟的な解決を遂げてしまっている。しかし、あれはけっして、作者の窮策じゃない。ヴァン・ダインは、いかに因数を決定することが、切実な問題であるかを....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
食う物がなくて餓え死ぬ世の中だから、町家ときては目も当てられなかったよ。その時の窮策でな、赤土一升を水一升で溶いてな、それを布の上に厚く敷いて、天日《てんぴ》に....
女大学評論」より 著者:福沢諭吉
を楯にし、論法を荘厳にして以て女性を圧倒し、無理にもこれを暗処に蟄伏せしめんとの窮策に出でたるものと言う可し。既に男尊女卑と定まりたる上は、婦人に向て命令するこ....
秋の筑波山」より 著者:大町桂月
時なりと勇みぬ。されど、手兵のみにては不足也。茲に真壁掃部助と言ひあはせて、一の窮策を案じ出だせり。小田の重臣に内応するものあり、乗ずべしとて、佐竹方や多賀方の....
日記」より 著者:宮本百合子
、それで同情を求めようというのらしい。分らないが。若しそうだとすれば、人間に其那窮策を思いつかせる学校制度は恐るべきものである。学校は人間を考えない。一面から云....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
日清戦争劇以来、毎回の興行が思わしくなかったので、おそらく幕内の策師たちが一種の窮策から俄かにこんなことを思い立ったのであろう。狂言は一座の藤沢浅二郎の作という....
三国志」より 著者:吉川英治
大将のひとりが、そっと、進言した。 「大鵬は天地に縦横すべしです。なんで区々たる窮策を告げて、人の資などおたのみになるのでござるか」 「逢紀か。いや、ほかに策が....