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窺
「窺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
窺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
台はとにかく西洋じみた室内。そこに西洋人の人形が一つ怯《お》ず怯《お》ずあたりを
窺《うかが》っている。覆面《ふくめん》をかけているのを見ると、この室へ忍びこんだ....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
っせと手を動かしながら、水々しい銀杏返《いちょうがえ》しに結ったお芳を時々尻目に
窺《うかが》ったりしていた。が、この新聞紙の包みを見ると、更に悪意のある表情をし....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
た視線をあげると、半ば歎願するように、怯《お》ず怯《お》ず私の顔色《かおいろ》を
窺いながら、前よりやや自然な声で、慇懃《いんぎん》にこう言葉を継《つ》いだ。
「....
「影」より 著者:芥川竜之介
》は、彼等夫婦の寝室の戸へ、盗賊《とうぞく》のように耳を当てながら、じっと容子を
窺《うかが》っている彼自身を発見した。寝室の外の廊下には、息のつまるような暗闇が....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
たのでしょう。※《におい》の高い巻煙草を啣《くわ》えながら、じろじろ私たちの方を
窺《うかが》っていたのと、ぴったり視線が出会いました。私はその浅黒い顔に何か不快....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
日如来の姿の中《うち》には、印度|仏《ぶつ》の面影《おもかげ》よりも、大日※貴が
窺《うかが》われはしないでしょうか? 私《わたし》は親鸞《しんらん》や日蓮《にち....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
念が動き出した。殊に左近は出合いをあせって、ほとんど昼夜の嫌いなく、松山の内外を
窺《うかが》って歩いた。敵打の初太刀《しょだち》は自分が打ちたい。万一甚太夫に遅....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
野はそう疑いながら、しばらくは橋づめの電柱の蔭に、妾《めかけ》の容子《ようす》を
窺《うかが》っていた。が、お蓮は不相変《あいかわらず》、ぼんやりそこに佇《たたず....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
ス》文学の研究者だった。自分はこの客と入れ違いに、茶の間《ま》の容子《ようす》を
窺《うかが》いに行った。するともう支度の出来た伯母は着肥《きぶと》った子供を抱き....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
折りではない。しかも讐家《しゅうか》の放った細作《さいさく》は、絶えず彼の身辺を
窺《うかが》っている。彼は放埓《ほうらつ》を装って、これらの細作の眼を欺くと共に....
「運」より 著者:芥川竜之介
しくなかったせいもあるのでございましょう。そこで、娘は、折を計って、相手の寝息を
窺《うかが》いながら、そっと入口まで這《は》って行って、戸を細目にあけて見ました....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
をついだ。それから側目《はため》には可笑《おか》しいほど、露柴の機嫌《きげん》を
窺《うかが》い出した。………
鏡花《きょうか》の小説は死んではいない。少くとも....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
たんだ」 「何を見て上げるんですえ?」 婆さんは益疑わしそうに、日本人の容子を
窺っていました。 「私の主人の御嬢さんが、去年の春|行方知れずになった。それを一....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
て見れば男ならで女なり。ますます思いせまる事ありて覚悟を極しならんと身を潜まして
窺うに、幾度か欄干へ手をかけて幾度か躊躇し、やがて下駄を脱ぎすつる様子に走り倚り....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
食事に招かれても行かないしをもうけた。これでいかに自分の力を発見に集中したかが
窺われる。 田園生活や、文学美術の事にも時間を費さない。鳥や獣や花を眺めるのは....