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窺知
「窺知〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
窺知の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
きポンプ》を注ぎかけたるごとく、勃然《ぼつぜん》としてその深奥《しんおう》にして
窺知《きち》すべからざる、巧妙なる、美妙なる、奇妙なる、霊妙なる、麗質を、惜気も....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
て、いよいよ、黒死館殺人事件の核心をなす疑義中の疑義――どんなに考えてもとうてい
窺知し得べくもなかった、伸子の殺人動機に触れた。それは無言の現実だった。ロダンの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
順序を得て、今日の来訪の理由の眼目に進んで密談が酣《たけな》わになるほど、外間の
窺知《きち》を許さないものがある。 三人の対話は極めてひそかに、また長時間に亘....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
及ぼそうとする。霊界の用うる手段たるや、何れも巧妙をきわめ、とても地上の人間には
窺知し得ないところがある。この際霊界人にとりて、何より困難を感ずるのは適当な霊媒....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
かげに一眼のきらめく顔を、敵意と憎悪に燃えたたして振りあげた。
この左膳の気を
窺知《きち》したものか、何にまれ容易に驚かず、たやすく発動したことのない月輪軍之....
「道標」より 著者:豊島与志雄
、しかも飲み残しの僅かなものを、弁償する責任があるとは、どういうことだろう。俺の
窺知し得ない心理だ。――あの眼鏡の枠縁の光りと、眼眸の光りと、二重の光りが、如何....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
も早く事物の要点を見る明晰《めいせき》の頭脳を有することは疑いなきも、また凡人の
窺知《きち》し得ざる苦労を経《ふ》るのである。光圀卿《みつくにきょう》の、 見....
「魔都」より 著者:久生十蘭
、真名古が何のためにツルゲネーフなどを読み出したか、凡庸な作者の推察力ではとても
窺知すべくもないが、ふと見ると、又しても真名古は奇妙なことをやっている。
書類....
「ロウモン街の自殺ホテル」より 著者:牧逸馬
ンス・ベルチョン博士の研究と活動が目覚ましいものであり、犯罪社会に怖れられたかを
窺知するに足るであろう。 いまこのベルチョン博士が、オテル・ダムステルダムの三....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
れを発表する簡朴《かんぼく》なる様式との間《あいだ》に後人《こうじん》の見て以て
窺知《うかがいし》るべからざる秘訣《ひけつ》を蔵するものあり。元禄宝永の演芸は鳥....
「向嶋」より 著者:永井荷風
』は詼謔《かいぎゃく》を旨とした『繁昌記』の文とは異って静軒が詩才の清雅なる事を
窺知《うかがいし》らしむるものである。静軒は花も既に散尽《ちりつく》した晩春の静....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
為に釈迦仏を敬造して、ここに二本尊存在することとなった。これは光背の銘文によって
窺知せらるるのみならず、天平十九年の資財帳によって、当時なおそのままであった事が....
「世界の変革と芸術」より 著者:和辻哲郎
のである。しかし苦しむものは育つ。この一、二年間のヨーロッパには、日本人の容易に
窺知し難い進歩があった。ヨーロッパが苦しみ疲れるのをあたかも自分の幸福であるがご....
「自力更生より自然力更生へ」より 著者:三沢勝衛
あったことについては寸分の変りはなかった。 要するに、如上の講演要項によっても
窺知できるように、なにもとくに珍しい見方・考え方を発表したわけではなかった。私と....
「屍体と民俗」より 著者:中山太郎
この民俗は今に親族の親疎を言い表す語となって残っている点からも、在りし昔の事実が
窺知される。即ち琉球では死人の肉を食うべき権利――であると同時にまた義務でもあっ....