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立
「立〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
立の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
ぶらぶら仲店を歩いている。少年は父親の手を離れ、時々|玩具屋《おもちゃや》の前に
立ち止まったりする。父親は勿論こう云う少年を時々叱ったりしないことはない。が、稀....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
亜米利加人が帰ってしまうと、婆さんは次の間の戸口へ行って、 「恵蓮。恵蓮」と呼び
立てました。 その声に応じて出て来たのは、美しい支那人の女の子です。が、何か苦....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
る事は困難だが、苦労人と云う語の持っている一切の俗気を洗ってしまえば、正に菊池は
立派な苦労人である。その証拠には自分の如く平生好んで悪辣な弁舌を弄する人間でも、....
「狂女」より 著者:秋田滋
、例の普魯西の兵隊独特の操り人形よろしくと云った恰好をして歩いている。やがて、頭
立った将校があつまって、部下の将兵を民家に割りあてた。僕のうちには十七人、隣りの....
「墓」より 著者:秋田滋
男に躍りかかると、たちまち組み伏せてしまい、両手を縛りあげて、その男を交番へ引ッ
立てて行った。 その男は町の弁護士で、まだ年も若く、名をクールバタイユと云って....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
るのだ。 ところで私は年をとると、物ごとの怖ろしい惨めさ、努力などの何の役にも
立たぬこと、期待の空なこと、――そんなことはもう諦念めてしまっていた。ところが今....
「初雪」より 著者:秋田滋
島の背を二つ見せている。 この広い入江のほとりや、カンヌの町を三方から囲んで屹
立している高い山々に沿うて、数知れず建っている白堊の別荘は、折からの陽ざしをさん....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
の間には彼の三十円あれば、据風呂の中へ入りながらも首を伸してこれを看守りたり。出
立つ前に年寄の忠告にも、「旅は明日志す所へ着くというその夜は誰も安心して必ず其所....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
は鍛冶職人で、身体も弱く、貧乏であったので、子供達には早くからそれぞれ自活の道を
立てさせた。 ヤコブス・ウェルス・ミュースの家 ファラデーの家はアイルランドか....
「寡婦」より 著者:秋田滋
が起ろうと驚きもしなかったのです。彼女たちの前で、誰かが、性格が相容れぬために対
立してしまった男女の話とか、仲たがえをした恋人の話とか、裏切られて復讐をした話な....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
呼ばれていた。眠気をさそう夢のような力がこのあたりをおおっており、大気の中にさえ
立ちこめているようだった。移住のはじまったころ、ドイツのある偉い祈祷医師がこの場....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
末にたち罩め、ものの輪廓が、ほの暗い、はるか遠方にあるように見えた。道ばたに三本
立っている見あげるような樅の木までが、まるで泣いてでもいるように潤んで見えた。が....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
が投げ込む大きな歓喜に外ならないからである。生きものにとっては殺すということほど
立派なこと、尊敬に値することは無いのだから。 六月三十日―― 殺すことは法則....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
ものを芸術的に、文学的に、グウとレベルを引上げたのである。つまり、何処から見ても
立派な芸術的文学とまで発展させていたのであるから、これまでの探偵小説に馴されてい....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
していました。 「何あ、落てるんだてよ?」 と太郎右衛門は間抜な顔をして、二人の
立っている間へ顔を突込んでやりました。 「見ろ、こうしたものあ、落ってるんだてば....