立ちはだかる[語句情報] » 立ちはだかる

「立ちはだかる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

立ちはだかるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
地球発狂事件」より 著者:海野十三
んにすぐお目にかからねばなりません」 牝牛のように身体の大きなエミリーは戸口に立ちはだかる枯木のようなガロ爺やをぐんぐん押し戻して、浴槽の傍まで入ってきた。 ....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
している姿が見えました。――ダッと走り寄って、捕り手の小者達のうしろに颯爽として立ちはだかると、叫んだ声のりりしさ爽やかさ、退屈男の面目、今やまさに躍如たるもの....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
」 気味わるく静かにうしろから呼びかけて、のっそりと主水之介がその顔の真ん前へ立ちはだかると、あとは無言でした。黙ってにんめり打ち笑みながら、ぬうと向うの顔へ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
んが気軽に太鼓をうったり、気軽の亀さんが髪髯蓬々とした面をかぶって真面目に舞台に立ちはだかる。「あ、ありゃ亀さんだよ、まァ」と可笑しざかりのお島がくつ/\笑う。....
石狩川」より 著者:本庄陸男
返事は無かった。 彼は提《さ》げていた刀をすとッと腰におとし、そこの座敷廊下に立ちはだかるようにして手を拍《う》った。座敷にたまっていた人々の声も静かになった....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
る。―― 近づくのを、物の数でもなげに、笑みをふくんで眺めている雪之丞の前に、立ちはだかると、 「こりゃ、生れぞくない――今、門倉うじ仰《おお》せの通り、汚ら....
沈丁花」より 著者:宮本百合子
たような苦痛に打たれた。今開く路ならどこへでも体ごと投げそうな千鶴子の前に思わず立ちはだかるように、はる子は、 「×さんがしたからって何もあなたが……」 と云っ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
そうしてニッとして残忍な笑い方をしましたが、背中を行燈の方に向けて、幸内の枕許へ立ちはだかるようにしてしまったから、何をするのだか挙動が少しもわからないが、ただ....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
である。おまけに、自分の後から走ってくる奴もある。ハサミウチではゼヒもない。門に立ちはだかる白衣の人垣を泣きほろめいて掻きわけるところを、ムンズと襟クビつかまえ....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
どの休息を取ってから、旅をつづけた。例の橇はまだ見えており、ちょっとのあいだ前に立ちはだかる氷の岩山で見えなくなる時以外は、それを二度と見失うようなこともなかっ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
つきでこちらのほうを眺めている。 顎十郎は藤波のそばへ行って、のそっとその前に立ちはだかると、 「これは、これは、藤波さん、暑中にもかかわらず御爽快のていでま....
金狼」より 著者:久生十蘭
なく、下の扉があいて、乾が出てきた。紗の羽織の裾をくるりとまくって、久我のまえに立ちはだかると、 「やっとすみましたよ。……馬鹿な念のいれようだ、下らん。……そ....
冒した者」より 著者:三好十郎
イフの、スプリングをパンと押して、ギラリとした刄を出す) (雙方で刄物を構えて立ちはだかる。……) モモ 叔父さん。……(いつの間にか、廊下の所に来て立って....
斬られの仙太」より 著者:三好十郎
(四人本舞台へ。子分二が道の三方を見込んだ末)この辺で? 半助 よかろう(四人が立ちはだかる。それをジロジロ見ている長五と仙太。四人の方でも気づいて睨んでいる。....
ある完全犯罪人の手記」より 著者:酒井嘉七
股で歩いて来る人間がある。気づいて、はッとした瞬間彼はもう目の前にいた。私の前に立ちはだかるように立ち止って私の面を真正面から凝視している。赤沢荘三郎である。一....