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立ち返る
「立ち返る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
立ち返るの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「御萩と七種粥」より 著者:河上肇
思い出してくれる事があるかも知れぬ、などと考え及んだ。 さて、再び叔母のことに
立ち返るが、叔母が一旦藤村家を出て後にまた再縁するまでの期間は、勘定して見ると、....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
で、ひき上げることにした。 「ご芳志|忝けのう存じます。ではお言葉に従いまして、
立ち返ることにいたしましょう。つきましてはきっとお紅殿を……」 「大丈夫でござる....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
質朴の心へ返そうとしているのは確からしいが、はたして山吹は彼の言を聞き元の乙女に
立ち返るか、それとも多四郎に誘惑されるか? これこそ作者が次において語らんとする....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
た権田時介は全く感奮した様で身を投げ捨てる様に立ち上った、悪人が翻然として善人に
立ち返るは此の様な時で有ろう、況《ま》して彼は悪人でなく、聊か感情の強いのみで殊....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
を失ふなり。故に傍に暫し置きて、彼が命をも延ばし、且は厳しく教戒をもせば、善心に
立ち返ることもやありなんと思ふが故なり、と言へば、悪僧このことを聞き、師の厚恩に....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
じつに、習練と経験を示す一つの芸だったと言わなければならない。 瞬間の驚きから
立ち返ると同時に、みんなは争って卓子の隅へ金を出した。だから同時に、あっちでもこ....
「元日」より 著者:夏目漱石
《く》れる様になったら、余も亦《また》余所行《よそゆき》の色気を抜いて平常の心に
立ち返る事が出来るから、たとい書く事に酔払いの調子が失せないにしても、もっと楽に....
「行人」より 著者:夏目漱石
》を失っていた。自分はこういう想像の夢から突然何かの拍子《ひょうし》で現在の我に
立ち返る事があった。そうしてこの現在の自分と未来の自分とを運命がどういう手段で結....
「こころ」より 著者:夏目漱石
けがこう一度に眼先《めさき》へ散らつき出すと、ちょっと安心した私はすぐ元の不安に
立ち返るのです。 Kは落ち付かない私の様子を見て、厭《いや》ならひとまず東京へ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ように小さくなっていくから、はじめて事態の容易ならぬを知った弥生、呆然から愕然へ
立ち返るとともに、
「おのれッ!」
一散に後を追いだした。
一丁。
二丁。....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
と胸の隅で不審《いぶか》りながら、 「親分も焼きが廻った。女一匹で善心とやらに
立ち返るようじゃあ、あっしもこころ細い。諦めやした。ようがす。あのほうの足アふっ....
「ゼーロン」より 著者:牧野信一
出して再び以前のゼーロンに立ち返りでもしたら幸いであるが! との事であった。 「
立ち返るとも
立ち返るとも、僕のゼーロンだもの。」 私は寧《むし》ろ得意と、計り....
「時間」より 著者:横光利一
、前のように気の毒がって激しく泣き出す病人の声と一緒にひと際一団のものが賑やかに
立ち返ると、また食べ物の話が出る。そんなに食べ物の話をしては食べたくなるばかりだ....