立つ波[語句情報] » 立つ波

「立つ波〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

立つ波の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
さえ涸《か》れ尽きていた。だから彼は心身とも、まるで破れた船のように、空しく騒ぎ立つ波に臨んだまま、まっ白に落す豪雨を浴びて、黙然《もくねん》と坐っているよりほ....
石狩川」より 著者:本庄陸男
場は、役には立たないのだ。たかだかそれは、和船や底の浅い川崎船などの廻漕にのみ役立つ波止場になっていた。これらの古い昔の船々には、西蝦夷地のイシカリ港と喧伝《け....
播州平野」より 著者:宮本百合子
務机の端に子供帽子がのっかっている、その店の間も人気なかった。いかにも生活の湧き立つ波はひいたところという寂しさが全身に感じられた。 ひろ子は細長い土間を仕切....
源氏物語」より 著者:紫式部
くのでないかと源氏は思っていたが、その翌日からまた大風が吹いて、海潮が満ち、高く立つ波の音は岩も山も崩《くず》してしまうように響いた。雷鳴と電光のさすことの烈《....
南極の怪事」より 著者:押川春浪
り、走ると云わんよりは飛べるなり、天空を飛べるか海上を走れるかほとんど分らず、泡立つ波、舞いあがる水煙はあたかも雲ににたり。 十 時にたちまち見る....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
男頭が、小作人の束ねから田地の上りの采領まで、なにくれとなく豆々しくやってのけ、立つ波風もなく、一家むつまじく暮らしていたが、この年の春、娘のお小夜が、気にいり....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
此光景、乱山堆裏一船奔。 (上空からの風は海をまきあげ天地をもゆり動かし、高々と立つ波の花は帆柱の上にまとう。詩句を求めて試みにこの光景を表現しようとすれば、乱....