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「立上がり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

立上がりの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
李陵」より 著者:中島敦
。彼は一言もそれについてはいわなかった。ただ、宴|酣《たけなわ》にして堪えかねて立上がり、舞いかつ歌うた。 径万里兮度沙幕《ばんりをゆきすぎさばくをわたる》 ....
悟浄出世」より 著者:中島敦
じだった。 悟浄が来てから四日めに先生は眼を開いた。すぐ目の前で悟浄があわてて立上がり、礼拝《らいはい》をするのを、見るでもなく見ぬでもなく、ただ二、三度|瞬....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
なりません」 飯「さような事は云わんでも宜しい、あちらへ参れ」 孝「へえ」 と立上がり、廊下を二足三足行きにかゝりましたが、是れがもう主人の顔の見納めかと思え....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
来いとお言い。 椿 (立って一方を呼ぶ。)召します。姫様が召しますよ。 鯉七 (立上がり一方を)やあ、いずれも早く。(と呼ぶ。) 眷属ばらばらと左右に居流る。一....
東上記」より 著者:寺田寅彦
ば行き来の人吾等を見る。半時間ほども両人無言にて美人も通りそうにもなし。ようよう立上がりて下流へ行く。河とは名ばかりの黄色き砂に水の気なくて、照りつく日のきらめ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
明らさまなまたひどい註釈をつけ加えた。クリストフは恥ずかしさのあまり真赤になって立上がり、インキ壺《つぼ》をひっつかみ、笑ってるのが眼についた第一の生徒の頭へ、....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
覚えていなかった。次に記憶が蘇《よみがえ》ってきて、泣き始めた。ゴットフリートは立上がり、彼を抱擁した。 「どうした、坊や、どうした?」と彼はやさしく言っていた....
村芝居」より 著者:井上紅梅
で続きそうだぜ。もう帰ろうじゃないか」というと、みんなはすぐに賛成して、勇ましく立上がり、三四人は船尾へ行って棹を抜き、幾丈か後すざりして船を廻し、ふけおやまを....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
いたが、それは高価な鶉織らしく、その定紋は抱茗荷である。はいている袴は精好織で仕立上がりを畳へ立てたら、崩れずにピンと立つでもあろうか、高尚と高価と粋と堅実とを....
天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
あん、お茶でがんす! 段六の伯父さん! お茶でがんす! 稲田の中からまず瀧三が立上がり、お咲を見てニコニコする。次に仙太郎、次に段六が立上がる。 仙太 おお....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
店へあがった時、挨拶に出た覚えがあるので、 「これはこれは」 と、草をはたいて立上がり、 「佐々木様ではございませんか。どちらへお越しなさいますか」 「やあ、....