立体感[語句情報] » 立体感

「立体感〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

立体感の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
映画芸術」より 著者:寺田寅彦
映画芸術にいかなる反応を生ずるであろうか。 実際の空間におけるわれわれの視像の立体感はどこから来るかというに、目から一メートル程度の近距離ではいわゆる双眼視に....
ヴォルフの世界」より 著者:宮本百合子
画ではきっと処理しきれないだろうと思えるどっさりの生活の感情が、そこには流動する立体感であつかわれている。 もう一つ非常に印象をうけたのは、その一冊の終りの方....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
便なもので唯一個の目玉では世界万物すべて平面に見えて決して浮き出さない。すなわち立体感がなくなるのだ。立体がわからないからしたがって距離がわからない、片目で絵を....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
につけても羨ましいのはモンテカルロ辺りの古風な石造の家や別荘の積み重なりの美しき立体感である。マッチの捨て場所のない清潔な道路である。 家ばかりを幾度描いても....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
立体が存在し、太陽の直接の影響による光が存在し、空気があり科学があり、実際と強き立体感が頑として控えているのだ。 東洋画を天国とすると西洋画はこの世である。あ....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
井|鶴三氏のものが大変よく見えたのは、彫刻家であるだけ、デッサンの正確さによって立体感までが現れてよき意味の写実によって絵が生きた事などが原因しているといってい....
話の屑籠」より 著者:豊島与志雄
散らばっている。或は心理の深みを示し、或は性格の多種多様さを示して、人生に一種の立体感を与えてくれないでもない。 吾々は日常、そういう小話をいくつも耳にしてい....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
が発端である。正の物を見たら、これはほんとうに驚くのかも知れぬが、写真だけでは、立体感を強いるような線ばかりが印象して、それに、むっちりとした肉おきばかりを考え....
痀女抄録」より 著者:矢田津世子
は、繍そのものの質を弁えぬも甚だしい、繍は絵とちがって、一本一本の糸が微妙繊細な立体感をもって、これが緻密に綾なすところに妙味がある。――と、語られたことがあっ....
澪標」より 著者:外村繁
にくぎられた段段田が、幾層にも重なり、所どころ、森や疎林に遮られてはいるが、自ら立体感のある、広闊な傾斜となって、村山平野に連っている。更に大地は、或は急に、或....
『唯研ニュース』」より 著者:戸坂潤
ず気のつく点は、色彩のおかげで遠近法も著しくハッキリするということだ。之は相当に立体感を再現しているから、或る程度まで立体映画の代りをつとめる。少くとも例の「飛....