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「立体的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

立体的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
ごとくして、意識現象としての「いき」の客観的表現の芸術形式は、平面的な模様および立体的な建築において空間的発表をなし、無形的な音楽において時間的発表をなしている....
ある心の風景」より 著者:梶井基次郎
物陰の電燈に写し出されている土塀、暗と一つになっているその陰影。観念もまたそこで立体的な形をとっていた。 喬《たかし》は彼の心の風景をそこに指呼することができ....
海底大陸」より 著者:海野十三
をつくると、クーパーの船室めがけて、じわじわとおしよせてきた。 怪物の梯形陣は立体的だ。怪物の頭の上に、他の怪物がのっている。その上にもまた、他の怪物がのって....
地球要塞」より 著者:海野十三
。 「島影も見えず、沈下した様子もないとは、変だなあ。――どうだ、水中聴音器で、立体的にも測ってみたか」 「もちろんですとも。しかしお断りするまでもなく、水平方....
四次元漂流」より 著者:海野十三
でそれを説くならば、幽霊トハ四次元世界ノ物体ガ三次元世界ニ交ワリタルトキニ生ズル立体的切口ナリといえるわけでしょう。このお話がわかって、道夫さん」 そう問われ....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
出るものばかりだ。 要するにこれらのモティフを作者がうまくトワール、板あるいは立体的にあらゆる材料を用いて思う存分組み立てればいいので一種の構成派の仕事である....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
し複雑なリズムがあり、立体の種々相を眺め得るのである。 その側へ、同じ日本人の立体的作品を並べて見ると、日本人のものは立体らしい模様が描いてあるに過ぎず、よく....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
私と彼女は、そこから広場を突っ切ってレイニン廟へ這入る。 小兵営のような、立体的な墓の地下室へおりると、硝子の箱のなかに、死んだレイニンが生きていたときそ....
華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
軽蔑出来たのは、蓬莱建介の存在のおかげであるのだが。 蓬莱建介は、南原杉子の、立体的な側面の姿を眺めていた。だが、傍に、妻和子が居ることを心得ていた。だから、....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
云い現して、語を繰返しているところにもあらわれている。一首は平板に直線的でなく、立体的波動的であるがために、重厚な奥深い響を持つようになった。先進の注釈書中、こ....
『出家とその弟子』の追憶」より 著者:倉田百三
つしがきくし、トーキーならその単調さが救われるからだ。寺の本堂、廊下、仏像なども立体的に、いろいろな角度や、光りでとれるからだ。それは『アジアの嵐』などでもわか....
回想録」より 著者:高村光太郎
他の画家の羅漢は余り彫刻にならないが兆殿司のはそのまま薄肉になるのは、恐らく余程立体的なのであろう。私もそれを盛んに稽古した。それで人間の顔の「にくあい」その他....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
丸写しに実物を写すには工合が悪いので、今度は彫刻をやり出しました。これは彫刻なら立体的に物の形が現われて都合が好いと考えたからであります。それで牛込辺の鋳物師の....
審判」より 著者:カフカフランツ
さ加減があまりにひどいので、結局は男と女とだけしか眼にははいらず、それがあまりに立体的に絵から浮び出て、ひどく固くなってすわっており、遠近法が間違っているため、....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
入といったところで、単なる平面描写の写生とは少くとも格段があるのだからね。もっと立体的な内観的な象徴的なものだからね。ところで、話はまた草根木皮に還るよ。聴くか....