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立働く
「立働く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
立働くの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
を成した小高いところにある墓地の向うには、古い墓でも動かすかして、四五人の人足の
立働くのが見えた。岸本は節子と一緒に石を敷きつめた墓地の一区域へと出た。そこまで....
「藁草履」より 著者:島崎藤村
明窓《あかりまど》から夕日を受けた流許《ながしもと》に、かちゃかちゃと皿を鳴して
立働く。炉辺には、源より先に御輿《みこし》を据えて、ちびりちびり飲んでいる客があ....
「家」より 著者:島崎藤村
見て廻った後、老人は奥の庭の見える座敷に粗末な膳を控えた。お雪やお福のいそいそと
立働くさまを眺めたり、水車の音を聞いたりしながら、手酌でちびりちびりやった。 「....
「家」より 著者:島崎藤村
に対してばかりでなく、娘を嫁けた先の三吉に対しても細いところまで行き届く。倦まず
立働く人で、お雪の傍に居ても直に眼鏡を掛けて、孫の為に継物したり、娘の仕事を手伝....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
一君にも面会。星君が連れた若い人夫が、食饌のあと片付、掃除、何くれとまめ/\しく
立働くを、翁は喜ばしげに見やって、声をかけ、感心だと賞める。
午後は親子三人、....
「戦場」より 著者:夢野久作
い起すことが出来た。零下十何度の殺人的寒気の中に汗がニジム程の元気さで腕一パイに
立働く事が出来た。 その二月の何日であったか忘れたが、たしか総攻撃の始まる前日....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
らしむるためには、百姓を柔順にして置かなければならぬ。百姓は、矢玉の間に命がけで
立働くには及ばない代り、柔順に物を生産して、軍隊の兵站《へいたん》を補充しなけれ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
らしむるためには、百姓を柔順にして置かなければならぬ。百姓は、矢玉の間に命がけで
立働くには及ばない代り、柔順に物を生産して、軍隊の兵站《へいたん》を補充しなけれ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ものだ。この窮通ができたのは、妙見様の御利益《ごりやく》ばかりではない、小まめに
立働くところが感心だ。おれにはできない――こういう神妙な立ちまわりはおれにはでき....
「ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
見ることが出来た。 「おさださん、わたしも一つお手伝いせず」 とおげんはそこに
立働く弟の連合に言った。秋の野菜の中でも新物の里芋なぞが出る頃で、おげんはあの里....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
に、小遣の出振りが面白い……小買ものや、芝居へ出かけに、お母さんが店頭に、多人数
立働く小僧中僧|若衆たちに、気は配っても見ないふりで、くくり頤の福々しいのに、円....
「わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
両手に顔を掩ふてゐた。まだ街はねむつてゐたが、二官の家では四郎父子の出発のために
立働く音がしてゐる。彼らはこの蒲団を、そして寝室を、さらに広大にするために働いて....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
山の井の家には薬局、受附など真白な筒袖の上衣を絡って、粛々と神の使であるがごとく
立働くのが七人居て、車夫が一人、女中が三人。但しまだ独身であるから、女は居ても何....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
さにただ立ちつくすばかりだった。ひんぱんな出船、入船、かけ声をかけながらせわしく
立働く仲仕たちを、私はうつろな目でながめていた。 『貞やん、はよゆこか……』 ....