立寄る[語句情報] » 立寄る

「立寄る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

立寄るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
《へいだゆう》と云う老爺《おやじ》も居りますから、摩利信乃法師が西洞院の御屋形に立寄るのは、迂闊《うかつ》に邪魔も出来ません。が、四条河原の蓆張《むしろば》りの....
運命論者」より 著者:国木田独歩
一月後《ひとつきのち》、僕は訴訟用で長崎にゆくこととなり、其途中山口、広島などへ立寄る心組で居《い》ましたから、見舞かた/″\鎌倉へ来て母に此《この》事を話しま....
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
》に着ているところに、媚態とその形相因とが表現を完《まっと》うしている。「いつも立寄る湯帰りの、姿も粋な」とは『春色辰巳園《しゅんしょくたつみのその》』の米八《....
温情の裕かな夏目さん」より 著者:内田魯庵
たのではなかったが、何かの用で千駄木に行ったが、丁度夏目さんの家の前を通ったから立寄ることにした。一体私自身は性質として初めて会った人に対しては余り打ち解け得な....
三人の双生児」より 著者:海野十三
ことだった。いずれ冬の休暇ごろには、用があるのでまた当地へ来るから、そのとき是非立寄ると云った。そして例の「三人の双生児」に関する問題も故郷の方をもっと探してみ....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
往来のすくない田圃なかにひとりの四国遍路の倒れているのを発見した。見すごしかねて立寄ると、彼は四十に近い男で、病苦に悩み苦しんでいるのであった。弥次右衛門は近所....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
があった。 ただ、あだには見過し難い、その二品に対する心ゆかしと、帰路には必ず立寄るべき心のしるしに、羽織を脱いで、寺にさし置いた事だけを――言い添えよう。 ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
っち向に、舌を出した形に見える。……ふざけて、とぼけて、その癖何だか小憎らしい。立寄る客なく、通りも途絶えた所在なさに、何心なく、じっと見た若い女房が、遠く向う....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
|繁き賑かさ。 花の中なる枯木と観じて、独り寂寞として茶を煮る媼、特にこの店に立寄る者は、伊勢平氏の後胤か、北畠殿の落武者か、お杉お玉の親類の筈を、思いもかけ....
妖婆」より 著者:岡本綺堂
え失せてしまったか、それらの事は見届けなかったと彼は言った。 堀口が声をかけて立寄ると、老婆のすがたは消え失せた。最初の神南は係り合わずに通り過ぎた。十三番目....
光は影を」より 著者:岸田国士
から後は、駅からの往復を自然、そつちの道を通つてということにした。別に、わざわざ立寄るほどの理由も口実もないまゝに、いく月かは、たゞ、門の前をいくぶんゆつくり歩....
異妖編」より 著者:岡本綺堂
から二、三日後に、亀田屋の女房はここを通って、このあいだの礼ながらに煙草屋の店へ立寄ると、亭主は小声で言った。 「まったく相違ありません。隣りの家の切子は、石で....
夢のお七」より 著者:岡本綺堂
る。芝居や寄席などに行くのもある。吉原などに入り込むのもある。しかも自分の屋敷へ立寄るものは殆どなかった。殊に石原の家では、主人が家を出ると共に、妻子は女中を連....
青蛙神」より 著者:岡本綺堂
だ。 中二 三本足の蝦蟆だ……。 李中行 何、そっちにも蝦蟆がいるのか。 (李は立寄る。柳と阿香も見かえる。ランプはおのずから消えて、家内は暗くなる。その暗中に....
人狼」より 著者:岡本綺堂
に来りて内をうかがい、木戸をあけて入る。) お妙 おお、姉さん……。(砧をやめて立寄る。)あんまり帰りが遅いので、どうなされたかと案じていました。 おいよ 大方....