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立往生
「立往生〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
立往生の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
吉田の顔色に躍起《やっき》になりながらその話を続けるので、自動車はとうとう往来で
立往生をしなければならなくなってしまった。吉田はその話相手に捕《つか》まっている....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
て急を知らせてくれ、お君が駈けつけると、黄昏の雪空にもう電燈をつけた電車が何台も
立往生し、車体の下に金助のからだが丸く転っていた。ぎゃッと声を出したが、不思議に....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
、寒さに嗅覚がにぶったのか、進もうとはしない。刃の風とまっ暗な雪のなかで、一同は
立往生してしまった。 と、やがて霽れ間が見えてきた。すると、ケプナラがあっと叫....
「海底都市」より 著者:海野十三
声ではないかと思った。どうせ僕のことをやかましく喋り合っているのだろう。 僕は
立往生《たちおうじょう》をしていた。そして怪物どものさわぎを、見まもっているしか....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
うとは思いませんです」 ひょんなことになってしまって、帆村はあとの言葉が続かず
立往生だ。 そのとき幸運は帆村を救ってくれた。それは本庁から、例の空き缶がここ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
々が押掛けて来て、道路は完全にその人たちによってうずまった。自動車も電車も、みな
立往生である。
わりあいに落着いて、パイプを口にくわえて、この有様を見ていた老....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
が、岬へ上陸したのはいいが、そのまま険悪な天候にとじこめられてしまって、半年間も
立往生し、ついに全員が、恨みをのんで、死んでしまった魔の場所であった。パイ軍曹が....
「空襲警報」より 著者:海野十三
うか。彼等は甲州の山奥に逃げこむつもりで、新宿駅に駈けつけたが、たちまち駅の前で
立往生をしてしまった。あまりに夥しい避難民が押しよせたので、もう身動きもできなか....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
と思われた。 大地軸孔の悲歌 「君、ちょっと折り入っての話がある」 隊が
立往生をしてから、一か月後のある夜。こっそり折竹の天幕へ、セルカークが入ってきた....
「雨」より 著者:織田作之助
て急を知らせてくれ、お君が駆けつけると、黄昏の雪空にもう電気をつけた電車が何台も
立往生し、車体の下に金助のからだが丸く転がっていた。 ぎゃッと声を出したが、不....
「指輪一つ」より 著者:岡本綺堂
、僕は気分がよくなかったのです。高山以来、毎晩碌々に安眠しない上に、列車のなかに
立往生をしたままで、すし詰めになって揺すられて来る。暑さは暑し、人いきれはする。....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
リヒリ致してどうも成り申さぬ」 大名行列の大勢ことごとくが、一時|盲目になって
立往生をしたのであった。 七 信州柏原の本陣、古間内の表屋敷上段....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
ても行けぬ、しかしこんな峰頂では、露営は覚束ない、ぐずぐずしていると日が暮れる、
立往生するのも馬鹿げている、かように濡れては、火が第一番だから林を目的に下れ、途....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
もう動けませんとでもなったら、命は無事でも、行くにも行けず、還るにも還れず、一同
立往生の憂目を見た事だろうと思うと、思わずほっとしたものだ。どう見たところで熊笹....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
口が敵に塞がれ、続行して来る歩兵との連絡を絶たれる時は、戦車は間もなく燃料つきて
立往生する。であるから真に近代的に装備せられ、決心して守備する敵陣地の突破はなか....