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「立志〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

立志の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
のように働きながら、健気《けなげ》にも独学をつづけて行ったらしい。これはあらゆる立志譚《りっしたん》のように――と云うのはあらゆる通俗小説のように、感激を与え易....
家庭の幸福」より 著者:太宰治
とでも申すべきで、むしろ役人のほうは、その大半、幼にして学を好み、長ずるに及んで立志出郷、もっぱら六法全書の糞《くそ》暗記に努め、質素倹約、友人にケチと言われて....
非凡なる凡人」より 著者:国木田独歩
何を読んでいるのだ」といいながら見ると、洋綴《ようとじ》の厚い本である。 「西国立志編《さいこくりっしへん》だ」と答えて顔を上げ、僕を見たその眼《まな》ざしはま....
近時政論考」より 著者:陸羯南
しかして快活的論派とも言うべきはすなわち土佐の板垣氏に連絡ありてその根拠を大阪の立志社連に有せり。十年の乱は実に政界を一変せり。かの一派の民権論者は西郷の敗亡と....
新世帯」より 著者:徳田秋声
新吉がお作を迎えたのは、新吉が二十五、お作が二十の時、今からちょうど四年前の冬であった。 十四の時豪商の立志伝や何かで、少年の過敏な頭脳を刺戟され、東京へ飛び出してから十一年間、新川の....
火星兵団」より 著者:海野十三
っていたわけではない。そんなものとはまるで関係のない「わが少年時代の思出」という立志伝の放送だった。 ところが、その途中で、老博士は急に話をそらせ、講演の原稿....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
てからは、気振りにも出さず、事の一端に触れるのをさえ避けるようになった。苦心談、立志談は、往々にして、その反対の意味の、自己|吹聴と、陰性の自讃、卑下高慢になる....
社会時評」より 著者:戸坂潤
れるためにはみんな一族の資産を傾けて命がけの努力をするのだ。だから医学博士は凡て立志伝中の人物と思えば間違いはない。医学博士にボラれたとか医学博士には近よること....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
で、私はその方の学校の視察にも赴く事になった。この地方で高松人は、早くより土州の立志社に共鳴してその支社を開いていたから、それらの人々は旺《さか》んに演説会を開....
再び科学的精神について」より 著者:戸坂潤
が恐らく科学のことである。之に反して第二のものは、「敬愛信奉を以て其の始めとし、立志の如何を眼目とし、志を尚ぶことを其の精神とする所の学」であって、之は「行為を....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
あるが、この作の由来について円朝自身が語るところに拠ると、彼が最初の考案は多助の立志譚を作るのではなくして、やはり「牡丹燈籠」式の怪談を作る積りであったと云う。....
女性の諸問題」より 著者:倉田百三
めに母親が犠牲的に働くという場合は、主として父親のない寡婦の母親の場合であるが、立志伝などではこの場合が非常に多いようだ。ブース大将の母、後藤新平の母、佐野勝也....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
。というのは、彼は元来が芸人で、明治初年に渡米し、彼の地で芸人から商人に転業した立志伝中の快男児である。夢之助は渡米を倶にした芸人の娘であった。 十一月三十日....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
彼女が詳しく語っている。 さてこんな風にお話してまいりますと、何だかお菓子屋の立志伝みたいになって変なのですが、決してこれは立志伝ではなく、今日中村屋の店頭が....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
ること、愛情に富むことそれが第一のことだ。後はそれからのことである。 私の父は立志伝などによく出て来る父のように子供に対して、殊更らに教訓的なポーズをとるとい....