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立志伝
「立志伝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
立志伝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新世帯」より 著者:徳田秋声
新吉がお作を迎えたのは、新吉が二十五、お作が二十の時、今からちょうど四年前の冬であった。 十四の時豪商の
立志伝や何かで、少年の過敏な頭脳を刺戟され、東京へ飛び出してから十一年間、新川の....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
建立したものと言わねばならぬ」と記している。 この賢夫人サラーの生涯は、実に一
立志伝である。しかのみならず、その夫の遺著に題した序文は、絶代の名文と称せられて....
「日は輝けり」より 著者:宮本百合子
感じたのである。 天が自分に幸すると思うと、光輝ある考えになって来た彼は、また
立志伝中の一人として自分を予想し、努力し始めた。彼は全く熱中して、善い自分を現わ....
「中国に於ける二人のアメリカ婦人」より 著者:宮本百合子
その自伝小説のつよい色調をかもし出し特徴の一つをなしている。ただ貧農の娘の階級的
立志伝ではない強烈な、不安な、燃え顫える光線が体にかかって来るような感じを与える....
「火星兵団」より 著者:海野十三
っていたわけではない。そんなものとはまるで関係のない「わが少年時代の思出」という
立志伝の放送だった。
ところが、その途中で、老博士は急に話をそらせ、講演の原稿....
「一票の教訓」より 著者:宮本百合子
深い経験をもっているのが目につく。一人一人の婦人代議士についてきけば、それぞれに
立志伝はあるであろう。小学校訓導をふり出しにして、今は高等女学校の校長となり、或....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
れるためにはみんな一族の資産を傾けて命がけの努力をするのだ。だから医学博士は凡て
立志伝中の人物と思えば間違いはない。医学博士にボラれたとか医学博士には近よること....
「キュリー夫人の命の焔」より 著者:宮本百合子
なかに、たとえば手内職から今日の富豪となる迄の努力生活の女主人公として女のひとの
立志伝がのったりしますが、そういうひとの生涯でも、或る意味ではやはりえらいと云え....
「現今の少女小説について」より 著者:宮本百合子
て批評もされる様にならなければいけないものです。 極く楽観的なものと意志の強い
立志伝的なものをまぜてそれ等のものが二十ある中に涙の出るものは六七あればいいんで....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
分のことが仕事なのか、ひとのためなのか混同されてしまうのですね。そういう意味での
立志伝中の人。なかなかデリケート。「わが道に立つものは容赦はすまじ」というような....
「女性の諸問題」より 著者:倉田百三
めに母親が犠牲的に働くという場合は、主として父親のない寡婦の母親の場合であるが、
立志伝などではこの場合が非常に多いようだ。ブース大将の母、後藤新平の母、佐野勝也....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
。というのは、彼は元来が芸人で、明治初年に渡米し、彼の地で芸人から商人に転業した
立志伝中の快男児である。夢之助は渡米を倶にした芸人の娘であった。 十一月三十日....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
彼女が詳しく語っている。 さてこんな風にお話してまいりますと、何だかお菓子屋の
立志伝みたいになって変なのですが、決してこれは
立志伝ではなく、今日中村屋の店頭が....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
ること、愛情に富むことそれが第一のことだ。後はそれからのことである。 私の父は
立志伝などによく出て来る父のように子供に対して、殊更らに教訓的なポーズをとるとい....
「大橋須磨子」より 著者:長谷川時雨
書籍出版業としても第一の店となっていたが、父子ともに計って富を一代に築きあげた、
立志伝中の一家であった。越後《えちご》の寒村から出て来て、柳原|河岸《がし》に古....