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立掛
「立掛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
立掛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
あいよ。」 「へッ、」 と一ツ胸でしゃくって笑いながら、盤台を下ろして、天秤を
立掛ける時、菠薐草を揃えている、お源の背を上から見て、 「相かわらず大な尻だぜ、....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
ど之も殺したる所には非ず多分は血に塗れたる死骸を舁ぎ来る途中事故ありて暫し其塀に
立掛し者なる可し 殺せしは何者か殺されしは何者か更に手掛り無しとは云え七月の炎....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
討手、槍にて立ちかかる。獅子狂う。討手|辟易す。修理、九平等、抜連れ抜連れ一同|
立掛る。獅子狂う。また辟易す。 修理 木彫にも精がある。活きた獣も同じ事だ。目を....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
りとして覗くのも、そいつは知らないらしい。 ちょうど吹倒れた雨戸を一枚、拾って
立掛けたような破れた木戸が、裂めだらけに閉してある。そこを覗いているのだが、枝ご....
「古狢」より 著者:泉鏡花
のの目立って紅いのも、もの侘しい。蒟蒻の桶に、鮒のバケツが並び、鰌の笊に、天秤を
立掛けたままの魚屋の裏羽目からは、あなめあなめ空地の尾花が覗いている……といった....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ったものの形は、葦簀張の柱の根を圧えて置きます、お前様の背後の、その石※か、私が
立掛けて置いて帰ります、この床几の影ばかり。 大崩壊まで見通しになって、貴女の....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
帽も床に落ちた、夢中で引※る。 「革鞄に挟った。」 「どうしてな。」 と二三人
立掛ける。 窓へ、や、えんこらさ、と攀上った若いものがある。 駅夫の長い腕が....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
、私はフト思いがけない珍らしいものを視た。 二 框の柱、天秤棒を
立掛けて、鍋釜の鋳掛の荷が置いてある――亭主が担ぐか、場合に依ってはこうした徒の....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
束にして突付けろ。帰れ! 大白痴、その位な事が分らんか。) で、また追立てて、
立掛ける、とまたしても、(待ちおれ。)だ。 (分ったか、何、分った、偉い! 出来....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
い、町の在家の確かな蔵に預けてあるで。」 「また帰途に寄るとしよう。」 不意に
立掛けた。が、見掛けた目にも、若い綺麗な人の持ものらしい提紙入に心を曳かれた。ま....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
りで陰々としている。――場所に間違いはなかろう――大温習会、日本橋連中、と門柱に
立掛けた、字のほかは真白な立看板を、白い電燈で照らしたのが、清く涼しいけれども、....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
は晩飯と一所。で、拭布を掛けたなり台所へ突出すと、押入続きに腰窓が低い、上の棚に
立掛けた小さな姿見で、顔を映して、襟を、もう一息掻合わせ、ちょっと縮れて癖はある....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
に町に出た時は、橋の上で弁慶に出会い、豆府屋から出る緋縅の武者を見た。床屋の店に
立掛ったのは五人男の随一人、だてにさした尺八に、雁がねと札を着けた。犬だって浮か....
「山吹」より 著者:泉鏡花
覗く)まあ、死んでるんだよ。 やや長き間。――衝と避けて、立離るる時、その石垣に
立掛けたる人形つかいの傀儡目に留る。あやつりの竹の先に、白拍子の舞の姿、美しく※....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
なかった。家数四五軒、佗しい山間の村で、弁当を使った時、雨を凌いで、簀の子の縁に
立掛けた板戸に、(この家の裏で鳴いたり時鳥。……)と旅人の楽書があるのを見て、つ....