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「立春〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

立春の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:梶井基次郎
地ね、あすこから富士がよく見えたんだよ」と自分は言った。 富士がよく見えたのも立春までであった。午前は雪に被《おお》われ陽に輝いた姿が丹沢山の上に見えていた。....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
土に適した暦もあっていいとの趣意から、当局者の参考にと提出したのであった。それは立春の日をもって正月元日とする暦の建て方である。彼は仮に「皇国暦」とその名を呼ん....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
」は、この「オジサン」が来ると、喜んでいっしょについてあるくのである。 今年の立春の宵に、外から帰って来る途上、宅から二、三丁のある家の軒にうずくまっている大....
偸桃」より 著者:田中貢太郎
少年の時郡へいったが、ちょうど立春の節であった。昔からの習慣によるとその立春の前日には、同種類の商買をしている....
鬼を追い払う夜」より 著者:折口信夫
、賑やかで、そうして何処かにしんと静まった様子を想像して御覧なさい。暦を見ると、立春と言う日が、載ってありましょう。今年は、其が二月五日になります。冬が過ぎて春....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
はじめて霞がかかった、はじめて霞が注意せられた趣である。春立つというのは暦の上の立春というのよりも、春が来るというように解していいだろう。 この歌は或は人麿自....
丹下左膳」より 著者:林不忘
をこすった。 さくら暦《ごよみ》 あすか山。この享保年中に植えしものには、立春より七日目ごろもっとも盛んなり。 王子|権現《ごんげん》。同七十七日目ごろ....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
の都市で、太陽が宝瓶の十五度に入る日に、厳かに行われるが、支那人はこの日をもって立春としている。皇帝は、自らの手本によって農民を鼓舞せんがために自ら臨御し、荘重....
あしびの花」より 著者:土田杏村
至当だとし、木瓜の花らしいと結論した。雅澄は、この歌の作られた前年十二月十九日が立春となつてゐるから、この年は気候も早く、二月初旬にはもう陽地に馬酔木は咲いてゐ....
艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
になってしまったことがあった。事変以前の二月はじめで、その翌日遊んだ箱根の温泉で立春を迎えたためだろう、たった一度でわからなくなってしまった人の思い出には、白梅....
妖怪学」より 著者:井上円了
、一つは人の心を安んじ精神を強くするによりて、多少効験もあるなり。例えば、年始に立春大吉の三字を書したるものを懐中にするか、またはこれを手に書きて固く握り、獏と....
上野」より 著者:永井荷風
其ノ単弁淡紅ニシテ彼岸桜ト称スル者最多シ。古又嘗テ吉野山ノ種ヲ移植スト云フ。毎歳立春ノ後五六旬ヲ開花ノ候トナス。」としてある。そして桜花満開の時の光景を叙しては....
すみだ川」より 著者:永井荷風
りつけてあった。 長吉はいかほど暖い日和《ひより》でも歩いているとさすがにまだ立春になったばかりの事とて暫《しばら》くの間寒い風をよける処をと思い出した矢先《....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
このまま並んでおり、大方は巧拙とりまぜ、順序通り抜きとって示したのである。従来は立春・若菜・梅・柳・桜などいう歌題が勅撰集の歌の排列を決めていて、『古今集』この....
立春の卵」より 著者:中谷宇吉郎
立春の時に卵が立つという話は、近来にない愉快な話であった。 二月六日の各新聞は....