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立板
「立板〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
立板の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
なる。大体この星の人は……」年を聞いて丙午《ひのえうま》だと知ると、八卦見はもう
立板に水を流すお喋《しゃべ》りで、何もかも悪い運勢だった。「男はんの心は北に傾《....
「倫敦消息」より 著者:夏目漱石
《かたづけ》に行って伽藍堂《がらんどう》の中に残るは我輩とペンばかりである。彼は
立板に水を流すがごとく※々《びび》十五分間ばかりノベツに何か云っているが毫《ごう....
「雪魔」より 著者:海野十三
るようであった。 (何だろう?) と彦太は、ふしんに思った。いつもの五助なら、
立板に水を流すようにどんどんおしゃべりをするのに、それをしないで、何かを小さい胸....
「不周山」より 著者:井上紅梅
た思わず訊かずにはおられなかった。 長方形の板を載せているのが、竹片を指して、
立板に水を流すごとくにいった。「裸※淫佚で、徳を失い礼を蔑ろにし、度を敗るは、禽....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
、頼まれたわけでもないのに、自然に声がでて、自然に頭がペコペコさがるから、万事が
立板に水である。それを卑屈だと思うような考えは起らない。むしろ名優が演技をたのし....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
のものは皆新宅へ荷物を方付に行って伽藍堂の中に残るは我輩とペンばかりである。彼は
立板に水を流すが如く※々十五分間ばかりノベツに何かいっているが毫もわからない。能....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
方の反間の機密などが、或はこの者の口から……」 黙っていれば、問わぬことまで、
立板に水のような調子で誇り顔に喋舌り出すので、大助も遂に、 「これこれ、林鐘御坊....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
とがべえしゃらで、そのまた何かが何とかで、ええ、何とか何とか何とかじゃあ…………
立板に水というが、これはまた高粱畑に榴散弾でもぶち撒くように、パラパラペラペラと....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
り上がる。巫女はうわずった声でいった。『ほかはいかん、いかん。紙じゃ、紙の仕事は
立板に水じゃ……』。よし、これで決まった。私は五十銭払って、二畳のねぐらへ道を急....