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立消え
「立消え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
立消えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
おとらと青柳との間に成立っていたお島と青柳の弟との縁談が、養父の不同意によって、
立消えになった頃には、おとらも段々青柳から遠ざかっていた。一つはお島などの口から....
「苦悩の年鑑」より 著者:太宰治
デモクラシイは、それからどうなったか。どうもこうもなりやしない。あれは、あのまま
立消えになったようである。まえにも言って置いたように、私はいまここで当時の社会状....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
いて世間が大騒ぎした最後の時であったのだ。したがってY村についての僕の注意も一時
立消えになった。しかしこの問題のお蔭で、僕はY新聞のD(幸徳)やS(堺)、M(東....
「黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
出した人のことではない。あの海賊が自分の金を取りもどしたのなら、そこでこの事件は
立消えになってしまうはずだ。で、僕はこう思った。キッドはなにかの事故のために――....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
や経済上の不如意なぞのいろんな邪魔があったりして、わずか一、二年の間にこの同盟も
立消えになってしまった。最近満足に開かれた大会は、前に言ったアムステルダム大会一....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
に、後退にヒョイと立って、ぼんやりとして襖がくれ、 「御免なさいまし。」と女中、
立消えの体になる。 見送りもせず、夫人はちょいと根の高い円髷の鬢に手を障って、....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
当を持って出ると、級友の罹災調べや、学校との連絡や、もうすっかりやけた工場は自然
立消えになっていたので、その時の給料の配布や、日中はそんなことをしていそがしい時....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
た。――濃霧の中にでも鎖されたような自分自身を彼は感じた。九州行きの問題も、自然
立消えのようでいて、実はまだ宙に浮いていた。片山禎輔の告白によって、片山夫妻と自....
「猫先生の弁」より 著者:豊島与志雄
り合いの料理屋や料理人に相談してみたところ、初めから断られたり、請け合ったままで
立消えになったり、遂に実現をみない。 そのうちに、猫肉試食などに対する興味を私....
「白塔の歌」より 著者:豊島与志雄
の役目を冷淡に固辞してしまいましたし、陳慧君の上海行きは延び延びになっていつしか
立消えてしまいました。そしてただ、柳秋雲が荘家に委託されることだけが実現しました....
「西瓜」より 著者:岡本綺堂
知れないな。」 私もいつか彼に降伏してしまったのであった。西瓜の話はそれで一旦
立消えになって、それから京都の話が出た。わたしは三、四日の後にここを立去って、さ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
れた。 みんなは、つい、しいんとなってしまった。そして生徒大会のことも、それで
立消えになってしまったのである。 生徒大会のことがどうなり片づくと、次郎は機を....
「駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
になった翻訳である。一時京橋のある書肆から発行されるという評判があって、そのまま
立消えになったのが、どうしたのか今配布用の小冊子になって小林の手にある。巻末には....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
延び、五日に延び、十日に延び、甚しいのは、半月もひと月も延び、更に甚しいのは全然
立消えになってしまうのもあるので、当てにならない事おびただしい。それがようよう開....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
。けれどもその後ワーレン・ヘスチングがインドの太守を辞して英国に帰って後はそれが
立消えのような具合になって全く交通もほとんどない位になって来たです。
ところで....