立烏帽子[語句情報] » 立烏帽子

「立烏帽子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

立烏帽子の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
夜《いちや》の中に二人まで、あの御屋形の梨《なし》の花の下で、月に笛を吹いている立烏帽子《たてえぼし》があったと云う噂も、聞き及んだ事がございました。 いや、....
野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
Kと日本服を来た英吉利人との間である。 舞台の人形は、藍色の素袍《すおう》に、立烏帽子《たてえぼし》をかけた大名である。「それがし、いまだ、誇る宝がござらぬに....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
の白い石の上に立っていると、うしろからそっと声をかけた者があった。男は振り向いて立烏帽子のひたいを押し直した。 「玉藻《たまも》の前《まえ》。きょうはいろいろの....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
杉輝虎(本当はまだ政虎)は紺糸縅の鎧に、萌黄緞子の胴|肩衣をつけ、金の星兜の上を立烏帽子白妙の練絹を以て行人包になし、二尺四寸五分順慶長光の太刀を抜き放ち、放生....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
ツ四ツ七ツ足駄の歯の高響。 脊丈のほども惟わるる、あの百日紅の樹の枝に、真黒な立烏帽子、鈍色に黄を交えた練衣に、水色のさしぬきした神官の姿一体。社殿の雪洞も早....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
。 そうだ、桔梗の紋が示している通り、それは加藤肥後守清正である。 世の常の立烏帽子《たてえぼし》の大兜《おおかぶと》に、鎧《よろい》、陣羽織、題目の旗をさ....
明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
今様男舞《いまようおとこまい》を呼びものにしていた。緋《ひ》の袴《はかま》に水干立烏帽子《すいかんたてえぼし》、ものめずらしいその扮装《ふんそう》は、彼女の技芸....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
に見られなかった流鏑馬《やぶさめ》がはじまるのであります。 花火の相図と共に、立烏帽子《たてえぼし》に緑色の直垂《ひたたれ》を着て、太刀を佩《は》いた二人の世....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
垂れた根上り松に纜いまして、そこへ参る船もござります。船頭たちがなぜ素袍を着て、立烏帽子を被っていないと思うような、尊い川もござりまする、女の曳きます俥もござり....
「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
云って居た。其後三位の中将が瀧口をたずねて行って会って見ると都に居た時には布衣に立烏帽子衣紋をつくろい髪をなで、あんなに美くしかった男と誰が思うだろう。出家して....
私本太平記」より 著者:吉川英治
したが」 「では、佐々木が局の女房でもあろうか」 「いや、どこやら艶かしい水干衣立烏帽子という粧い、あるいは、特に御贔屓の白拍子かもしれませぬ」 「はははは。白....
放免考」より 著者:喜田貞吉
放免せられしものを用ひて、盗賊の追捕囚禁などに従事せしめしものなり。此の日放免は立烏帽子を冠り、摺染の狩衣に紅の単衣を重ねて鉾(木の枝)を持ちて行く。特に注意す....