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立物
「立物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
立物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
、岡山口から天王寺口にかけて、十五万に余る惣軍は、旗差物を初夏の風に翻し、兜の前
立物を日に輝かし、隊伍を整え陣を堅めて、攻撃の令の下るのを今や遅しと待っていた。....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
これは母親譲り、月謝五十銭の界隈の娘たち相手にはどうにか間に合い、むろん近所の仕
立物も引き受けた。 慌しい年の暮、頼まれた正月《はる》着の仕立に追われて、夜を....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
では京都の大きい寺の住職になっていると聞きました。なにしろこの探索では小坊主が大
立物《おおだてもの》で、その口から本山派と反対派の捫著《もんちゃく》を聴いたので....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
人物がこの汚い土窟をわざわざ覗きに来るなんて、全く意味がわからない。 「市議の大
立物たる動坂三郎が訊ねてくるなんて、変ですね」 「なに変でもないよ。こっちは『深....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
寄合いがあった際、人々に勧められて、余呉湖畔戦の想い出話をした事がある。「金の脇
立物、朱漆の具足の士と槍を合せたが、その武者振見事であった」と語った処が、その武....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
の花が咲いた時分だと申しますから、まだ浴衣を着ておりますほどのこと。 急ぎの仕
立物がございましたかして、お米が裏庭に向きました部屋で針仕事をしていたのでござい....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
忙な生活中に、閑を割いて面会を遂げた政治界、貴族社会、学会、文学界、芸術界等の大
立物のみでも幾百千というを知らなかった。要するに彼は一切の心霊問題に関して、当時....
「雨」より 著者:織田作之助
親譲り、月謝五十銭の界隈の娘たち相手にはどうなりこうなり間に合い、むろん近所の仕
立物も引き受けた。 慌しい年の暮、頼まれた正月着の仕立に追われて、夜を徹する日....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
唄は嬲殺しと按撫とを一つにしたようなものなのだ。 彼女はもちろん巴里の芸人の大
立物だ。しかし彼女の芸質がルンペン性を通じて人間を把握しているものだけに彼女の顧....
「アラビヤンナイト」より 著者:菊池寛
仕立屋にでもしようと思いました。それである日、アラジンを仕事場へつれて入って、仕
立物を教えようとしましたが、アラジンは、ばかにして笑っているばかりでした。そして....
「人狼」より 著者:岡本綺堂
ら、日の暮れぬうちに早くお帰りなさい。 二人 あい、あい。 (おあさとおつぎは仕
立物を早々に片付ける。) 二人 では、あした又お稽古にまいります。(おいよとお妙....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
、さすが昔は東洋文明の卸元たりし面影どこかに残りをり候―― 天晴東洋の舞台の大
立物を任ずる水滸伝的豪傑が寄って集って天下を論じ、提調先生|昂然として自ら蕭何を....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
く時雨の空は晴れぬれどまた降るものは木の葉なりけり (〃) これは金葉時代の大
立物|源俊頼の歌ばかりであるが、『金葉』『詞花』に取られたのは大体この程度であっ....
「雨」より 著者:織田作之助
母親譲り、月謝一円の界隈の娘たち相手には、どうなりこうなり間に合い、勿論近所の仕
立物も引きうけた。慌しい年の暮、頼まれものゝ正月着の仕立に追われて、お君の夜を徹....
「恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
れたようになっている夫に、自分は東京にいたこともあると云って、松岡の父は政界の大
立物だの、表面にはたたないが隠れたる勢力家の一人だの、と、しきりに褒めそやすので....