立留る[語句情報] » 立留る

「立留る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

立留るの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
火の唇」より 著者:原民喜
もの屋はもう何処にもない。(わたし帰るわ)少女は冷たい水溜りのなかに靴を突込んで立留る。 「火の唇」はいつまでたっても容易に捗《はかど》らなかった。そして彼がそ....
鎮魂歌」より 著者:原民喜
一室に導く。僕は黙って彼の後についてゆく。ガラス張りの大きな函《はこ》の前に彼は立留る。函の中には何も存在していない。僕は眼鏡と聴音器の連結された奇妙なマスクを....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
お勢に今思い掛なくやさしく物を言いかけられたので、文三ははっと当惑して我にも無く立留る、お勢も返答の無いを不思議に思ってか、ふと此方《こちら》を振向く途端に、文....
湯島の境内」より 著者:泉鏡花
登場。 ※|往来のなきを幸に、人目を忍び彳みて、 仮色使の退場する時、早瀬お蔦と立留る。 お蔦 貴方……貴方。 早瀬 ああ。(と驚いたように返事する。) お蔦 ....
故郷」より 著者:豊島与志雄
。日の光は遠退いて、僕は薄闇の中に佇んでいた。然しそうした場合、人は同じ所に長く立留ることが出来るものではない。僕はまた歩きだした。もう浮々した軽やかな足取りで....
六号室」より 著者:瀬沼夏葉
に出た。するとそこで院長は六|号室であると聞き、庭から直に別室に入り、玄関の間に立留ると、丁度こう云う話声が聞えたので。 『我々は到底合奏は出来ません、私を貴方....