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立直り
「立直り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
立直りの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
くよかな呼吸……。
その呼吸の香に酔わされたかのように若林博士はヒョロヒョロと
立直りました。そうして少女の呼吸に共鳴するような弱々しい喘ぎを、黒い肩の上で波打....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
ざります。 白雪 ええ、怨めしい……この鐘さえなかったら、(と熟と視て、すらりと
立直り)衆に、ここへ来いとお言い。 椿 (立って一方を呼ぶ。)召します。姫様が召....
「白日夢」より 著者:豊島与志雄
がふらふらするのに気付いた。そしてふとよろけかかったのを、手先で門につかまって、
立直りざまがらりと引開け、その余勢でぴしゃりと閉めた。そして玄関までの石畳を、前....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
文治が手練の早業に、さしも死者狂の罪人も一歩も進むことが出来ませぬ。隙さず文治は
立直りまして大音を張上げ、 文「どういう訳でお前達が挙って騒ぎ立てるかは知らぬ....
「将棋の鬼」より 著者:坂口安吾
元々の素質は升田以上かも知れぬ。 名古屋の対局では、木村は見事であった。一つの
立直りを感じさせるものがあった。 然し、まだ、どこやらに、落ちた名人、前名人、....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
とうとう悟りをひらいて、もう、こうなれば勝てると思ったのに阿修羅の怪力大勇猛心で
立直りながら急にそこから気がぬけたようにズルズルと負けてしまった。そしてそれから....
「小さな山羊の記録」より 著者:坂口安吾
そうとしたゞけだ。自分をトコトンまで追いつめ、ためしてみることによって、仕事への
立直りを見出そうと祈念したゞけだ。 後日、千谷さん(東大神経科外来長)が私にき....
「多神教」より 著者:泉鏡花
は階を馳せ下り、巫女の手より梭を取り受け、やがて、欄干擬宝珠の左右に控う。媛神、
立直りて)――お沢さん、お沢さん。 巫女 (取次ぐ)お女中、可恐い事はないぞな、....
「魔都」より 著者:久生十蘭
、苦しまぎれに上突きにハッチソンの胸を突上げる。ハッチソンはヨロリとなったがすぐ
立直り、
「乙な真似をしやがると」
と懐中に手を差入れて白鞘を引ッこ抜きかけた....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
けちらされ、 「退くなっ」 「あわてるな!」 ぐらいの上将の叱咤では、どうにも
立直りえない大混乱におちてしまった。 下部だけではない。 桜田治部ノ大輔の中....