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立看
「立看〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
立看の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
。寝巻のままで階下に降りると、顔も洗わぬうちに、「朝食出来ます、四品付十八銭」の
立看板を出した。朝帰りの客を当て込んで味噌汁、煮豆、漬物《つけもの》、ご飯と都合....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
屋の店さきには七、八人の男や女が、狭そうに押し合っていた。年末大売出しの紙ビラや
立看板や、紅い提灯やむらさきの旗や、濁《にご》った楽隊の音や、甲《かん》走った蓄....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
、この鶫を珍重すること一通りでない。料理屋が鶫|御料理、じぶ、おこのみなどという
立看板を軒に掲げる。鶫うどん、鶫|蕎麦と蕎麦屋までが貼紙を張る。ただし安価くない....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
催されることになって、大きい桜のさいている茶屋の門口に、太夫の連名を筆太にかいた
立看板が出ているのを見ると、そのうちに桐畑の喜路太夫の名も麗々しく出ていました。....
「わが町」より 著者:織田作之助
寝巻きのままで階下に降りると、顔も洗わぬうちに、「朝食出来ます、四品附十八銭」の
立看板を出した。朝帰りの客を当て込んで味噌汁、煮豆、漬物、御飯と都合四品で十八銭....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
しき童謡であり童話であるに過ぎない。日本で咲いた超現実派に時々このかよわき童謡の
立看板を見る事も淋しい気のする事である。 要するに近代絵画は確実なる方程式を組....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
所に間違いはなかろう――大温習会、日本橋連中、と門柱に立掛けた、字のほかは真白な
立看板を、白い電燈で照らしたのが、清く涼しいけれども、もの寂しい。四月の末だとい....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
、和尚さん、娑婆気だな、人寄せに、黒枠で……と身を投げた人だから、薄彩色水絵具の
立看板。」 「黙って。……いいえ、お上人よりか、檀家の有志、県の観光会の表向きの....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
たある夜、紙芝居をすませて帰ってきますと、今里の青年会館の前に禁酒宣伝の演説会の
立看板が立っていたので、どんなことを喋るのか、喋り方を見てやろうと思いながら、は....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
、宿は繁盛を極めていた。尾張屋という旅籠があった。 そこへ何と堂々と、こういう
立看板が立てられたではないか! 「秋山要介在宿」と。 これが要介のやり口であっ....
「終戦前後」より 著者:織田作之助
、相変らずのビラが貼ってあった。私は何となく選挙の終った日、落選者の選挙演説会の
立看板が未だに取り除かれずに立っている、あの皮肉な光景を想いだした。 標語の好....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
も屋根の上にも一ぱいに専門の皮膚、泌尿科を麗々しく広告している医学博士。負けずに
立看板や色垂簾で店を武装している雑誌店。これに気付かされて注意すると日本の町は随....
「ストリップ修学旅行」より 著者:小野佐世男
鮎が住むという松川の河畔なる温泉旅館松川館の大玄関には、浅草座美人座御連中、の
立看板が湯客の眼を引いていた。内には鮎よりピチピチした彼女達が湯にほてったからだ....
「握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
にはいる寿司ではない。今でも一皿、握りが七ツ八ツ盛られて、五十円とか八十円とかの
立看板もあるが、これから話そうとする寿司は、そんないかさまものを指していうのでは....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
に驚くばかりである。昭和十二年の選挙のときだったか、ある人が路に倒れた私の選挙の
立看板を立て直したため検挙されたことがあった。バカげた話であるが、戦後はそんなこ....