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立礼
「立礼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
立礼の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
そういって葉子も親しみを込めたひとみを送った。古藤はしゃちこ張《ば》った軍隊式の
立礼をして、さくさくと砂利《じゃり》の上に靴《くつ》の音を立てながら、夕闇《ゆう....
「外科室」より 著者:泉鏡花
て、手術台に擦《す》り寄りつ、優に膝《ひざ》のあたりまで両手を下げて、しとやかに
立礼し、 「夫人《おくさま》、ただいま、お薬を差し上げます。どうぞそれを、お聞き....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
近くイギリスに暮して、イギリス人を妻にしている洋画家であった。しなれない日本流の
立礼を、特にこの夫人には丁寧にするという風で、膝を少しかがめて辞儀をした。 「佐....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
にゆらぎだして来て、衆生《しゅじょう》には背中を見せ、本尊|菩薩《ぼさつ》に跪座
立礼《きざりつれい》三拝して、説経壇の上に登ると、先刻嫁を罵《ののし》り、姑をこ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
私服はひたすら恭順の意を表して、
「いえ、……はい。実は……」
「では、なぜ
立礼でも立てて置かないのだ。その上に電灯でもつければ申分ないがね。……しかし、そ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
。その技工の妙を伝聞して、当時の藩主の命じて刻ましめた、美しき小人の木彫は、坐容
立礼、進退を自由にした。余りにその活きたるがごとく、目に微笑をさえ含んで、澄まし....
「三国志」より 著者:吉川英治
ろの屏風が開くと、弱々しい貴公子が、左右の手を侍臣に取られて、数歩前に歩いて客に
立礼した。見ると、まぎれなき劉※である。 「ご病中なれば、失礼遊ばされよ」 孔....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
殿の口では、はや、宮おひとりの姿だった。 お沓取には大舎人の信連がひかえ、廊の
立礼には、葉室ノ前大納言|長隆、頭ノ中将宗兼、右中弁正経などのすがたが見えた。宮....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
曲がりかけていた一群の雑人どもをうしろに、爺の左近が目ばやく気づいて、遠くの方で
立礼していた。 おそらくは、爺の注意によって、爺に導かれていた鳶七や以下の職人....