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立続け
「立続け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
立続けの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
は小芳に向って、 「そっちの、そっちの熱い方を。――もう一杯、もう一ツ。」 と
立続けに、五ツ六ツ。ほッと酒が色に出ると、懐中物を懐へ、羽織の紐を引懸けて、ずッ....
「妖術」より 著者:泉鏡花
とそんな事。……中に人の数を夾んだばかり、つい同じ車に居るものを、一年、半年、
立続けに、こんがらかった苦労でもした中のように種々な事を思う。また雲が濃く、大空....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
、その方へ気が入って、酔ったものは一人も無い。が、どうして勢がこんなであるから、
立続けに死霊、怨霊、生霊まで、まざまざと顕れても、凄い可恐いはまだな事――汐時に....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
れながら、歓びにわくわくして云った。何度も何度も礼を云った。 ホテルの一室で、
立続けに電話をかけたり、紹介の文案を書いたり、訪問記者と折衝したりして、深い疲労....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
は直ぐ分った、汚いに相違ない。 「いやあ、これは、失敗、失敬、失礼。」 甘谷は
立続けに叩頭をして、 「そこで、おわびに、一つ貴女の顔を剃らして頂きやしょう。い....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
盤を空に弾く。 「女房さん。」 と呼んだ門附の声が沈んだ。 「何んです。」 「
立続けにもう一つ。そして後を直ぐ、合点かね。」 「あい。合点でございますが、あん....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
ているので、ともすると倒りそうになるのを、路傍の電信柱の根に縋って、片手|喫しに
立続ける。 「旦那、大分いけますねえ。」 膝掛を引抱いて、せめてそれにでも暖り....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
と鼻を仰向けに耳を多一に突附けて、そこにありあわせた、御寮人の黄金煙管を握って、
立続けに、ふかふか吹かす。 (判然言え、判然、ちゃんと口上をもって吐かせ。うん、....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
。 なぜか息苦しい。 赤い客は咳一つしないのである。 小県は窓を開放って、
立続けて巻莨を吹かした。 しかし、硝子を飛び、風に捲いて、うしろざまに、緑林に....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
壜の口の切味や、錵も匂も金色に、梅を、朧に湛えつつ、ぐいと飲み、ぐいと煽った――
立続けた。 吻と吹く酒の香を、横|状に反らしたのは、目前に歴々とするお京の向合....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
「峠に何事があったんですか。」 「されば。」 すぱすぱと二三服、さも旨そうに
立続けに行者は、矢継早に乙矢を番えて、 「――ございました。」 「どんな事ですか....
「白光」より 著者:井上紅梅
らと眼の前に浮び出しているのだ。 ずば抜けた秀才として初等試験から高等試験まで
立続けに及第し……村の物持はあらゆる手段をもって縁を繋ぎ求め、人々は皆|神仏のよ....
「歌麿懺悔」より 著者:邦枝完二
三 自分の家の畳の上に坐って、雇婆の汲んでくれた水を、茶碗に二杯
立続けに飲んでも、歌麿は容易に動悸がおさまらなかった。 あの顔、あの声、あの足....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
。」 二 「菊枝さん、」とまた呼んだが、誰も返事をするものがない。
立続けに、 「遅いからもうお帰りなさいまし、風邪を引くと不可ません。」 弥吉は....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
い処で、鏡の間から顔を出して、緋目高で泳いでれば可いんです。」 八郎は熱い茶を
立続けに煽って言った。不思議に面に颯爽たる血が動いた。 「でもね、槙村さん、大諸....