立縞[語句情報] » 立縞

「立縞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

立縞の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大阪万華鏡」より 著者:吉行エイスケ
あるくように蒼ざめて、淀川の水面に赤いレッテルの商標を投じた。 金貨遊戯室の、立縞《たてじま》の短いスカートの女が毛皮の襟に顔をうずめて、夜会バッグにしまった....
黒髪」より 著者:近松秋江
はそのころよく地味な黒縮緬のたけの詰った羽織を着て、はっきりした、すこし荒い白い立縞のお召の袷衣を好んで着ていたが、それが一層女のすらりとした姿を引き立たせてみ....
母親」より 著者:若杉鳥子
つ帽子と着物とが括ってあった。 中折れと洋服、鳥打ちと紺絣、青服と鳥打、詰襟、立縞、スプリングコートまである。 学生、労働者、小商人、そこには皆の脱ぎ棄てた....
鷭狩」より 著者:泉鏡花
しながら、やっぱり悚然として立淀んだ。 洗面所の壁のその柱へ、袖の陰が薄りと、立縞の縞目が映ると、片頬で白くさし覗いて、 「お手水……」 と、ものを忍んだよ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ぐようにして奥へ持って行く。 その翌朝、七ツ頃、顎十郎は岩槻染、女衒《ぜげん》立縞の木綿の着物に茶無地の木綿羽織。長い顎を白羽二重の襟巻でしっかりとくるんでブ....
猪鹿蝶」より 著者:久生十蘭
んだから、あたしのほうにも、もちろんツモリはあったのよ。薄いレモン地に臙脂の細い立縞をよろけさせたお召に、名物裂《めいぶつぎれ》の両面つづれの帯……山浦の織元を....
妖影」より 著者:田中貢太郎
こうの方から五六人の会社員らしい洋服を着た一群が来て擦れ違ったが、その後から茶の立縞になったお召のような華美な羽織を着た女が来て、すぐ右側の路次へ入ろうとした。....