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「立話〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

立話の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
ながら杞憂《きゆう》を懐く一人であった。無論、彼は自分の主君が、自分たちの昨夜の立話を立聞きした当の本人であろうとは、夢にも思っていなかった。が、昨夜、夜更けの....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
。多鶴子にはそう見えた。途端に、自分から逃げ出したかったのだと、多鶴子は思った。立話さえ憚からねばならぬ気持はわかる。しかし、それにしても、もう少し愛情の籠った....
婦系図」より 著者:泉鏡花
…恥かしくない、と云って、教頭に尋ねたら、酒井妙子と云うんだ。ちょっと、教員室で立話しをしたんだから、委いことは追てとして、その日は帰った。 すると昨日、母様....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
日、焼跡の大下(宇陀児)邸二度目の訪問。今度は氏に会えた。焼跡に立ち、町会の人と立話をしている氏の後頭部一面が真っ白であるのを発見して、涙を催した。 ◯しかし、....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
し合って移って行く見物の列から離れて、室内には三々五々塊を作って画家らしい連中が立話をしていた。 K・S氏夫妻は見物に来た滞在フランス人に捕まって、何かしきり....
現代若き女性気質集」より 著者:岡本かの子
ていても、若さのせいか知らん。」 ○「訣れの挨拶のお辞儀をしてしまってから、また立話をする。あんなことあたし達にはないわ。」 ○「おなかが減いて家へ帰る電車がな....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
て、楽しく起居を偕にした時代の現世らしい気分が復活して来たのでした。 『いつまで立話しでもなかろう。その辺に腰でもかけるとしようか。』 『ほんにそうでございまし....
華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
たら誘うという了簡ではなかった。彼女は今日不在なのだ。昨日、店の女の子と二三こと立話しているのをきいたのだ。五時から神戸に用があると云っていたのだ。 南原杉子....
ランス紀行」より 著者:岡本綺堂
一行中に四人の日本人を見出したわけである。たがいに懐かしそうな顔をして、しばらく立話をしていると、クックの案内者が他の人々を案内して来て、レザアヴしてある列車の....
善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
されました」 お松はいそいそと手を支えた。 「どうぞお上り遊ばして」 「店先の立話も変なものだな。どれちょっと邪魔しようか」 座敷へ通って座を構えると、 「....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
いる。左手より清原ノ秀臣と小野ノ連、話し合いながら登場。中央まで来ると、立止って立話をはじめる。…… 小野 む。……それは僕もそう思った。石ノ上の奴、まるでもう....
決闘場」より 著者:岡本かの子
しの中に、彼は質間と哀願と慈愛を見るようになった。二人は挨拶を交わした。一寸した立話をした。それはジョーンが引越して暫くしてからの事であった。それから二人は時々....
雪の夜」より 著者:織田作之助
「さよか。そらええ按配や」 と、松本は連れの女にぐっと体をもたせかけて、 「立話もなんとやらや、どや、一緒に行かへんか。いま珈琲のみに行こ言うて出て来たとこ....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
「もう空中村へ行ったよ……どうして逃げられたのだ」 「あれはね、僕と市庁舎の裏で立話しをしていたのだ。その間に松島の一派が乱入したものだから、菊子はすぐ君の所へ....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
立って繁くなった。お座敷から帰る者、これから出掛ける者、客を送って行く者、往来で立話している者、アスファルトの舗道の上をちょこちょこ歩きの高い下駄の音に交って「....