立迷う[語句情報] »
立迷う
「立迷う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
立迷うの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、わたくしは、知らず識《し》らずこの山の中に分け入りまして、ついに大野ヶ原の雪に
立迷うてしまったという次第でございます。それは、向う見ずとお叱りを受けるかも知れ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
十日ほど前に、熱いお雑炊を、ふうふう吹いていた横顔が目に浮びました。涙と香の煙の
立迷うのとで、そこらはただ朧気に見えました。 遺骸にはさっぱりした羽二重の紋附....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
かり煌々と真昼間のごとく卓子を照して、椅子には人影もなかったのである。 戸外は
立迷う人の足、往来も何となく騒がしく、そよとの風も渡らぬのに、街頭に満ちた露店の....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
。が、行きつれ、立ち交る人影は、みなおり口の阪へ行く。……薄き海の光の末に、烏の
立迷う風情であった。 「ちかさん、父親を贔屓の盲人にさえ、土地に、やくざものに見....
「雪の日」より 著者:永井荷風
で、両国から船に乗り新大橋で上り、六間堀《ろっけんぼり》の横町へ来かかる頃には、
立迷う夕靄《ゆうもや》に水辺の町はわけても日の暮れやすく、道端の小家には灯がつき....