立騒ぐ[語句情報] » 立騒ぐ

「立騒ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

立騒ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
上海された男」より 著者:牧逸馬
んのんざきしょ》の者だ。一寸同行しろ」 超自然的に為吉は冷静だった。周囲の者が立騒ぐのを却って客観視し乍ら、口許《くちもと》に薄笑いさえ浮べていた。それが彼を....
バルザックの寝巻姿」より 著者:吉行エイスケ
んの座席を見ると、ロダンさんが色を失って席から立上ると、両手をあげて舞台に向い、立騒ぐ観衆をかき分けて近づいていらっしゃるのです。妾は朦朧とした意志に危険を直覚....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
の黒髪に戻った仔細を言おう。 池で、船の中へ鯉が飛込むと、弟子たちが手を拍つ、立騒ぐ声が響いて、最初は女中が小船で来た。……島へ渡した細綱を手繰って、立ちなが....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
出して遁げて行きます。」 二十三 「どたん、ばたん、豪い騒ぎ。その立騒ぐのに連れて、むくむくむくむく、と畳を、貴僧、四隅から持上げますが、二隅ずつ....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
、止めませい。) と宗山が二階で喚いた。皺枯声が、風でぱっと耳に当ると、三四人立騒ぐ女の中から、すっと美しく姿を抜いて、格子を開けた門口で、しっかり掴まる。吹....
南地心中」より 著者:泉鏡花
縋った。多一の片手の掌も、我が唇を圧余って、血汐は指を溢れ落ちた。 一座わっと立騒ぐ。階子へ遁げて落ちたのさえある。 引仰向けてしっかと抱き、 「美津さん!....
ワンダ・ブック――少年・少女のために――」より 著者:ホーソーンナサニエル
した。それがどうして海へ流れて来たかということは僕も知りません。とにかく、それは立騒ぐ大波にもまれていました。しかし波はそれを上下にゆりうごかして、泡立った波頭....
多神教」より 著者:泉鏡花
と舞いつつ真倒に落つ。もとより、仕掛けもの造りものの人形なるべし。神職、村人ら、立騒ぐ。 お沢 ああ、どうしましょう、あれ、(その胸、その手を捜ろうとして得ず、....
壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
を出してはくれなかった。そこで、漸く発見した浅瀬を銘々|徒渉する事になった。 「立騒ぐには及ばぬ。我等は決して敵意ある者ではない。薬草採りに参ったのじゃ」 漸....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
きゃッ。」 「わッ。」 と呼ぶ声、叫ぶ声、女どもの形は、黒い入道雲を泳ぐように立騒ぐ真上を、煙の柱は、じりじりと蔽い重る。…… 畜生――修羅――何等の光景。....
日和下駄」より 著者:永井荷風
股から髪の毛のような長い葉を垂らしていた。遠い電車の響やまた近く崖下で釣する人の立騒ぐ声にも恐れず勢よく囀《さえず》る小鳥の声が鋭く梢《こずえ》から梢に反響する....
活人形」より 著者:泉鏡花
、出て来らるべき道理は無きが、となおも様子を聞きいるに、頭の上なる座敷には、人の立騒ぐ気勢あり。幽霊などと動揺きしがようやくに静まりて、彼方へ連れ行き介抱せんと....
三国志」より 著者:吉川英治
焚き、貴人を迎えるごとく清掃せよ」 そしてまた、いちだん声たかく、 「みだりに立騒ぐ者は斬らん。整々粛々、旗をそろえよ。部署部署、旗の下をうごくなかれ。静かな....
私本太平記」より 著者:吉川英治
聞いた。そのとき彼は多少の閑でも心にあったのか。短冊を手に何か書きかけていたが、立騒ぐ周囲を見て「すべては運命というもの。俄に何の用心やある」と、慌てた風もなか....