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「竜宮城〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

竜宮城の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
おじいさんのランプ」より 著者:新美南吉
も巳之助にはいいもののように思われた。 このランプのために、大野の町ぜんたいが竜宮城かなにかのように明かるく感じられた。もう巳之助は自分の村へ帰りたくないとさ....
突貫紀行」より 著者:幸田露伴
巷閭《こうりょ》を引廻《ひきま》わせり。町幅一杯《まちはばいっぱい》ともいうべき竜宮城《りゅうぐうじょう》に擬《ぎ》したる大燈籠《おおどうろう》の中に幾《いく》....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
いた。門の影や土塀の影や、木立の影がその水面に、逆に映っている態は、小さい小さい竜宮城が、現出したとしか思われない。 「さて大水が現れて屋敷の周囲を取り巻いた。....
秋と漫歩」より 著者:萩原朔太郎
ど、見たことも聞いたこともない名前の町が、広漠たる野原の真中に実在して、夢に見る竜宮城のように雑沓している。開店広告の赤い旗が、店々の前にひるがえり、チンドン楽....
十二支考」より 著者:南方熊楠
鳧鐘《ふしよう》も、取る人なければ、空しく焼けて地に落ちたり、この鐘と申すは、昔竜宮城より伝はりたる鐘なり、その故は承平の頃俵藤太|秀郷《ひでさと》といふ者あり....
最後の胡弓弾き」より 著者:新美南吉
助の毎日の生活の中で、煩《わずら》わしいことや冗《つま》らぬことの多い生活の中で竜宮城のように楽しい想《おも》いであったこの家もこれからは普通の家になったのであ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
成さんずるといいければ、大王告げて曰く、我れ年来の后を竜王に盗み取られたり。故に竜宮城に向って南方へ行くなり、と宣いければ、猿猴ら申さく、我らが存命|偏《ひとえ....
ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
ろもとび越えて、底知れぬ岩の斜面《しゃめん》にそっておりていく。その先にあるのは竜宮城《りゅうぐうじょう》か、それとも海魔地獄《かいまじごく》か。 とつぜん樽....
地球要塞」より 著者:海野十三
、人工であることが、すぐわかった。 「おい、オルガ姫。艇の前に今見えている黄色い竜宮城《りゅうぐうじょう》みたいなものがあるが、あの地点はどこかね。つまり、日本....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
つけないで言いました、 「蜃気楼なら、おいらも伊勢の海にいて知っているよ、あんな竜宮城とは違うんだ、そら、あの通り岩で出来て、木の生えた島が浮いている」 「では....
モルガンお雪」より 著者:長谷川時雨
きかれるのが恐《こわ》くって、お雪は、ふっと、口をつぐんでしまった。 お雪に、竜宮城へ泊ったような夜が明けた。 お雪が長く見なれて来た、京都|祇園《ぎおん》....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
きたのは日本の昔話にある、浦島太郎の物語でした。昔、浦島太郎は助けた亀に乗って、竜宮城へいって乙姫様に歓待されるまま、そこで何日かを遊び暮して元の浜へ帰って来た....
『西遊記』の夢」より 著者:中谷宇吉郎
マカンの死の荒野の東、ロプ海床《かいしょう》を越え、乾上《ひあが》った海底に残る竜宮城の廃墟のまぼろしを眼《ま》のあたりに見ながら、玄奘は印度からの帰途を急いだ....