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竜頭
「竜頭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
竜頭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
に隠れたのがあった。 これなん、ここに正に、大夫人がなせるごとく、海を行く船の
竜頭に在るべき、河野の統領英臣であったのである。 英臣が、この石段を、もう一階....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
り結び突きあった。壮観である。信玄の嫡子、太郎義信は時に二十四歳、武田菱の金具|
竜頭の兜を冠り、紫|裾濃の鎧を着、青毛の駿馬に跨って旗本をたすけて、奮戦したこと....
「観画談」より 著者:幸田露伴
見せており、中ぐらいな大さの鐘が、漸く逼る暮色の中に、裾は緑青の吹いた明るさと、
竜頭の方は薄暗さの中に入っている一種の物※しさを示して寂寞と懸っていた。これだけ....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
わず正面にその口を蔽う。侍女等忍びやかに皆笑う。桔梗、鍬形打ったる五枚|錣、金の
竜頭の兜を捧げて出づ。夫人と亀姫の前に置く。 夫人 貴女、この兜はね、この城の、....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
している貴女の姿は、夕日影の峰に、雪の消残ったようであろう。少しく離れた私の兜の
竜頭は、城の天守の棟に飾った黄金の鯱ほどに見えようと思う。 美女 あの、人の目に....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
いましょうね。 たちまちまた暗し。既にして巨鐘水にあり。晃、お百合と二人、晃は、
竜頭に頬杖つき、お百合は下に、水に裳をひいて、うしろに反らして手を支き、打仰いで....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
わものどもが、という芭蕉の碑が古塚の上に立って、そのうしろに藤原氏三代栄華の時、
竜頭の船を泛べ、管絃の袖を飜し、みめよき女たちが紅の袴で渡った、朱欄干、瑪瑙の橋....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
のまま鳥居の柱に映って通る。……そこに屋根囲した、大なる石の御手洗があって、青き
竜頭から湛えた水は、且つすらすらと玉を乱して、颯と簾に噴溢れる。その手水鉢の周囲....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
は小蛇の力で動かんでな。底を背負って、一廻りまわって、船首へ、鎌首を擡げて泳ぐ、
竜頭の船と言うだとよ。俺は殿様だ。…… 大巌の岸へ着くと、その鎌首で、親仁の頭....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
熱中する代りに、すぐそれに飽いてしまうという厄介な性質を持っていました。いわば、
竜頭蛇尾、たとえば千メートルの競争だったら、最初の二百メートルはむちゃくちゃに力....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
けることができなかったというあたりは実にサッソウたる武者ぶりであるが、これぐらい
竜頭蛇尾、威厳を失うこと甚しい神様というものは他に類がないようだ。せッせと忠義を....
「多神教」より 著者:泉鏡花
がら、白拍子のむくろを引跨ぎ、飛越え、刎越え、踊る)おもえばこの鐘うらめしやと、
竜頭に手を掛け飛ぶぞと見えしが、引かついでぞ、ズーンジャンドンドンジンジンジリリ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
いて血雨|淋たり 予譲衣を撃つ本意に非ず 伍員墓を発く豈初心ならん 品川に梟示す
竜頭の冑 想見る当年怨毒の深きを 曳手・単節 荒芽山畔路叉を成す 馬を....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
暖か過ぎるが雨にはなるまい。赤蜻蛉の羽も、もみじを散して、青空に透通る。鐘は高く
竜頭に薄霧を捲いて掛った。 清水から一坂上り口に、薪、漬もの桶、石臼なんどを投....
「美味い豆腐の話」より 著者:北大路魯山人
実に美味い。あえて煮るまでもない。焼き豆腐はいうに及ばず、揚げ豆腐に拵えても、飛
竜頭に拵えても、これが豆腐かと疑われるばかりに美味かった。湯豆腐に舌鼓を打って楽....